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2.黒い太陽
3.タイニー・パンク
4.欲望
5.トゥデイ

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<Podcastインタビュー>
平山雄一の「ライヴハウス虎の穴」

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カテゴリ:ライヴレポート( 222 )
センチグラム〈2008/01/16掲載〉
2007/12/24@渋谷DESEO
センチグラム
【SHIBUYA DESEO 9th Anniversary LIVESTAR's CAMP vol.5】


バンドとしてのポテンシャルの高さを再認識させられたクリスマスライヴ

センチグラム〈2008/01/16掲載〉_e0197970_1755666.jpg
 12月24日、クリスマスイヴ。友達とワイワイ楽しんだり、ロマンチックに恋人と、または家族と静かに過ごしたり……。1年で世界中の人がとても大切に思っている日でもある、この晩を自主企画の日に選んだセンチグラム。おそらく、いつも以上にプレッシャーもあっただろうし、そんな大切な日に集まってくれたたくさんのお客さん達に本当に感謝していたのだろう。”楽しませたい!!”――彼らのこの日のライヴからは、そんな気持ちがすごく強く伝わってきた。

 そんなセンチグラムは、このイベントのトリとして登場。ヴォーカル松野の髪を切った爽やかな姿も印象的な中、1曲目「ココロノハ」でライヴはスタート。「言葉じゃこの気持ちを伝え切れない…」というフレーズから始まるこの曲は、来てくれたお客さん達に対する感謝のメッセージソングだったのではないだろうか。そして「プレリュード」「優しさ日和」と続き、印象に残ったのは4曲目にプレイされた「涙流星群」。アップテンポな、自然と体が揺れだすノリノリのナンバーだ。丹(Ds.)は、安定した力強いリズムを刻み、橋川(B.)がリズミカルにベースを弾き、そこに松野の感情に溢れた歌が乗る。
センチグラム〈2008/01/16掲載〉_e0197970_1761249.jpg
 そんな中、注目だったのが、新しくサポートとして加入したギターの丹羽の存在。彼は弾く姿にとても“華のある”ギタリストだ。上手い下手より、ミュージシャンとして“華”は何よりも重要なポイントだと思う。丹羽の弾くフレーズがセンチグラムの楽曲に彩りを添えているのはもちろん、存在そのものがバンドに新しい風をもたらせている。4人のアンサンブルには、まだまだ荒々しさが残るが、新しいセンチグラムにもっとも似合う、とてもバンドらしい曲だった。

 当日は「もしもし」や「名無しの唄」など、松野の声を前面に出したバラードはナシ。それはもしかしたらファンの望む形ではなかったのかもしれないが、そこに不満を感じるお客さんはいなかったのではないだろうか。それくらい全体的に勢いがあり、カッコいいライヴだったのだ。「まだまだ行けた」と、終演後、丹が言っていた言葉に、僕はこの日のライヴでセンチグラムのバンドとしてのポテンシャルの高さを再認識させられた。

 “この日、渋谷DESEOに集まった人達は、お客さん、出演者、スタッフ共々みんな笑顔で楽しいイヴを過ごせたことだろう……”、そう感じた、彼らの今後がさらに楽しみになったライヴだった。

●取材・文/永栄久徳

⇒センチグラム オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-23 17:11 | ライヴレポート
3markets(株)〈2008/01/09掲載〉
2007/12/18@下北沢MOSAiC
3markets(株)【LIVESTAR's CAMP vol.4】


感情を歌に昇華させる〈感情の株式会社〉

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 自らを〈感情の株式会社〉と名乗る3markets(株)のステージは、ガッキー(Ds.)の作文の朗読から始まるという、今回彼らのライヴを初めて観た私にとっては意表を突いたものだった。

 その内容は、ライヴ会場のMOSAiCのある下北沢をネタに、かつて下北沢にある某ライヴハウスのオーディションを受けた時、演奏についてダメ出しを食らったこと。今日は、今までの悔しいことや悲しいことをブツけるステージを見せること。なんだかそれが無性におかしく、じわじわ笑いが込み上げてきて、すっかり彼らの世界にハマってしまった。さらにはブンゴ(B.&Vo.)が、曲名の書かれた紙をめくり、次に演奏する楽曲のタイトルを観客に知らせるという演出もあり。これも〈感情の株式会社〉と名乗る、作る曲の歌詞やタイトルがストレートな彼らだけに、その曲名をシッカリと知らせた上で、〈歌に込めた感情を観客と共有したい〉という想いから生まれた演出なのだろう。
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 さて、1曲目に演奏されたのは、ブンゴ(B.&Vo.)がヴォーカルを取る「タイタニック」。〈生きたい〉一心で、自身に伸ばされた手を振り払い、沈んでいくタイタニック号から救助ボートに移った〈僕〉。人を死に追いやってしまった〈僕〉は、その記憶を心に抱きながら、生きていく――。人間の飽くなき〈生〉への執着を、静かに滑り出す音に乗せて、ブンゴが切々と歌う。一転、サビではエモーショナルなギターが炸裂し、感情が露わに。ラストには「あの日はなした手は 僕の息子の手だった」という、思わずドキッとさせられるドラマが隠されていた。2曲目「夕焼け前」でヴォーカルを取ったのは、かざま (G.&Vo.)。3markets(株)は完全なツインヴォーカルという異色のバンド。二人それぞれが曲を書いているので、おそらく曲を作った当人がその楽曲を歌うというスタイルを取っているのだろう。〈株式会社〉と名乗るだけに、どうやら社内の役割分担もシッカリと確立されているようだ(笑)。

 それにしても、バイト先のラーメン屋を首になったことを歌った「ラーメン屋」、漫画とゲームが大好きな、オタク街道まっしぐらな兄のことを歌った「タクミ」(たしかに〈匠〉だ/笑)と、タイトルコールしただけで笑いが起こるのはズルイ(笑)!
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 ラストに演奏されたのは、かざまが父親への想いを歌った「ダディ」。他の曲もそうなのだが、彼らの演奏は明快でムダがない。その分、より歌詞が際立って聴こえ、観客も楽曲に感情移入しやすい。この「ダディ」という曲は、歌詞の素晴らしさも含め、じつに心に染みる名曲&名演だった。
 感情を歌に昇華させる〈感情の株式会社〉、3markets(株)。彼らの歌にはネガティヴなことを歌ったものが多い。だが人は、ツライ気持ちや悲しい想いを抱えながらも生きている。だからこそ我々は、彼らの歌に共感するのだろう。

●取材・文/田上知枝、撮影:東京神父

⇒3markets(株) オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-23 16:47 | ライヴレポート
毛皮のマリーズ〈2008/01/09掲載〉
2007/12/23@新宿red cloth
毛皮のマリーズ ワンマンライヴ


扇動的でワイルドなロックンロール・ナンバーを立て続けに連射

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 スリリングさとグラマラスさ、そしてヤケクソが入り交じった、まさしく狂乱のアルバム『マイ・ネーム・イズ・ロマンス』を12月5日にリリースしたばかりの毛皮のマリーズ。そのレコ発的な意味合いも含んだ、彼ら初のワンマンライヴが行なわれ、アルバムで繰り広げられていた狂乱&騒乱を体感しようとばかりに大勢のオーディエンスが、ここ新宿red clothに詰めかけていた。

 まずはプロジェクターから、プロローグとも言える映像が映し出され、その映像とオーバーラップするかのごとく、ライヴハウス後方のエントランスよりメンバーが入場。ピンクのデディボーイ風ジャケットのヴォーカルの志磨、革ジャンのギターの越川、ジャンプスーツのベースの栗本、そしてのっけから上半身裸のドラム、富士山がステージに上がり、ドッシリと重いビートにブギーなリフが絡み、不埒でいかがわしく、それでいてロックンロールの匂いをプンプン振りまき続けた騒乱の夜が、1曲目「REBEL SONG」からスタートした。
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 グルーヴィ-でグラマラスなロックンロール・ナンバー「ACボーイ / DCガール」、ドライヴ&スピード感溢れるファストなナンバー「Great Big Kiss(・・・and big Noize)」等、5曲目前のMC前まで、勢い溢れるナンバーを立続けに連射。グラマラスでセクシー、それでいて危険な匂いをまき散らし歌うヴォーカル。アグレッシヴにグイグイと攻め込むギター。クールでストイックなベース。そしてアフロを振り乱し、力強くビートを放出するドラム。もう、この4曲だけですでに会場はヒートアップ。リミッタ-ギリギリの狂乱っぷりだ。

 そして、ここからは多少クールダウン。ミディアムで聴かせるナンバーを交え、最新鋭ロカビリー的ナンバー「犬ロック」もプレイ。初のワンマンに多少の戸惑いは覚えつつも、"ここはマリーズの独壇場。ルールは自分達で決めるだけ!!"とばかりに言い放った後は、メランコリックでメローでスイートなナンバー「MAYBE」でオーディエンスをうっとりさせると、続いては打って変わり、コブシも上がるロックンロール・ナンバー「BORN TO MEET YOU」や、ブッカ-Tを彷佛させるラインも印象的なナンバー「クライベイビー」等をプレイ。 と、ここで突然第一部は終了。

 引き続き、メンバーの再登場を待つ間、ディズニーの1930年代の代表作『蒸気船ウイリー』の映像を鑑賞。で、ここからがワンマン・ライヴならでは、通常のライヴでは観られない趣向を凝らしたステージを展開した彼ら。ヴォーカルの志磨もブライアン・ジョーンズを彷佛させる衣装に着替え、手にはギターを持ち、インタールード的に収録していたナンバーのフル尺バージョンや、18歳の頃に作ったという曲達を、ギターの越川と弾き語りで4曲ほどしっとりとプレイ。そして、再びブレイク・タイムを挟み、1stアルバムの衣装にチェンジしたメンバーが再びステージに登場。さあ、ここからは、第3部の幕開けだ。
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 まさに赤い照明が似合う、扇動的でワイルドなロックンロール・ナンバーを立続けに連射。それに呼応するかのごとく、"待ってましたと!!"とばかりに暴れ回るオーディエンス達。極度のトランス状態がフロア前方、そしてヴォーカルの志磨が現れる。極まって客席に何度となくダイブする志磨。それを煽るかの様にさらに熱狂するオーディエンス達。その彼の止めたくなかった勢いは、続けざまミディアム・ナンバーに入る予定を、さらに火に油を注ぐかのように、突如、レパートリーの予定に無かったザ・ビートルズの「Day Tripper」のバースト・バージョンを交えたことからも伺えた。その後もミディアムなナンバーや、ノリの良いナンバー、デトロイト・モーターシティ的ナンバー等を交え、「LOVEDOGS」で一回目のハイライトを迎え、本編は終了した。

 アンコールでも一向にテンションや勢いは衰えることを知らず。「BORN TO LOOSE」のハードパンク・アレンジ・ナンバー等を聴かせてくれた彼ら。それでもまだオーディエンスの〈おかわり〉の要求は終わらない。2度目のアンコールに応え、登場した彼らが正真正銘のラストに選んだのは、ミディアムで哀し気、まるで自分達の異端性を歌にしたかのようなナンバー、「YOUNG LOOSER」だった。

 彼らがステージから去り、ハッと我に返り、気づけば2時間半。本日のDJであった、ネモト・ド・ショボーレが客出しのBGMに使ったのは、ジョン・レノンの「Happy Xmas(War is Over)」。この選曲に、"そう言えばマリーズの1stアルバムのタイトルは『戦争をしよう』だったな……"と感慨深い気持ちでライヴハウスを後にしたのだった。

●取材・文/池田スカオ和宏/撮影:畠山亮(Sputnik lab)

⇒毛皮のマリーズ メジャー・デビュー・アルバム『毛皮のマリーズ』インタビュー
⇒毛皮のマリーズ DOUBLE A-SIDE SINGLE『ビューティフル / 愛する or die』インタビュー
⇒毛皮のマリーズ 1stミニ・アルバム『Faust C.D.』インタビュー
⇒毛皮のマリーズ オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-23 16:39 | ライヴレポート
dustbox×SABOTEN〈2007/11/27掲載〉
2007/11/15@SHIBUYA-AX
dustbox【Seeds of Rainbows TOUR 2007】


強い結束と信念さえ持ち続けていれば夢は叶う

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 dustboxのアルバム『Seeds of Rainbows』のレコ発ツアーのセミファイナル (最終日は彼らの地元埼玉・新都心HEAVEN'S ROCK VJ-3)。そのアルバムの好実績&バンドの上り坂の勢いを受け、ひと回りもふた回りも大きく成長した彼らの勇姿を見ようと、集まったオーディエンス達で満杯。ソールドアウトを記録した、この日の渋谷AX。まずは、一番手のHOT SQUALLが会場を暖めるべく登場した。 『GROWING UP』~『ANGRY FIST』の頃のHi-STANDARDを彷佛させるような、ステイ・ヤング性と、2ビートで押せ押せのグイグイくるビート、ハーモニーを重視する音楽性が印象的だった彼らは、勢いのある曲を立続けに連発。「AXだろうが何だろうが、ここも大きなライヴハウスと考え演るだけ」とのMCからも感じられた、ガムシャラ& ひたむき感に満ちたエネルギッシュなステージを展開した。どこまでも激走するドラムに、クランチ&エッジの効いたギター、そしてベースがボーカルを取り、西海岸的切なさを交えた哀愁&激走性と、爽快なメロディック・サウンド・ナンバーを立続けに連射。かと思えば、回り出すミラーボールに乗せられ、ハッピー性に満ちたポップなナンバーをプレイしたりと、一辺倒ではない幅のあるスタイルをきちんと披露。バンド名どおり、爽快感と温かさを味あわせてくれたステージを展開してくれた。

 続いて2番手は、dustboxのレコ発&大会場でのライヴに華を飾るがごとく、大阪より旧友のSABOTENが登場。上半身裸のドラムからも感じ取れるように、今日ものっけから気合いは充分のようだ。
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   「最高の笑顔を見せてくれ」とのMCの後、始まったこの日の彼ら。1曲目は「サークルコースター」。「回れ回れ回れ」のサビの部分に合わせ、のっけからお客さんも持っていたタオルを回し、会場中がタオルの大旋回。さらに2曲目では、その勢いは加速度を上げ、彼らの得意とするところの一つ、変速/変則性が加わる「オウンゴール」をプレイ。3曲目ではポップ&激しさが融合した「夢工場」と、短い曲の中に彼らのエッセンスをギュッと圧縮したかのようなナンバーを立続けに連発。HOT SQUALLで暖まった会場中の温度がさらにグンと上がっていく。

 彼らの魅力は何と言っても、その豊潤なテクニック。これがあるからこそ、どんなにスピードがアップしたり、そこに変則/変速性が交じっても、その楽曲はブレることがなく、安心して聴き、ノり、楽しむことができる。そして、その3曲のショートながら密度の濃い楽曲のプレイ後、「最高の日を過ごしましょう」のMCを挟み、比較的聞かせる部分をアピールした「シナリオ」。<いつも近くで笑っているから>の歌通り、サビの部分ではみんなが歌っていたのが印象的だった。

 続く5曲目の疾走ナンバー「YELLOW  RIOT」にて、フロアは再びハチの巣を突いたかのような騒乱状態に。かと思えば、間にはスリリングで不穏、それでいてカッコいいインストナンバーを挟み、彼らの音楽性の広さと吸収力を魅せつける。後半に入るとガラリ。"この歌よ会場中に届け!!"とばかりに、歌を中心とした比較的聴かせるナンバーを2 曲ほどプレイ。歌をじっくりと聴きながらも、ノり、そして歌っている、フロアにいるお客さん達が印象的だった。そして、ラストは、"やはりこれでしょ、これ!!"といった勢いのあるナンバー「Hi Rock Hi」をプレイした。

 12月19日には彼ら初となるDVDのリリースと、来年には彼らのライヴでしか購入できない限定シングルの発売も控えているSABOTEN。そんな彼らの良いモチベーションが客席にもガンガンに伝わってくるステージだった。
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 そして、dustboxのロゴとゴミ箱に上半身を突っ込んだアメコミ・チックなイラストの描かれた、大きなバックドロップが釣り下げられ、2バスを携えた大掛かりなドラムセットがセッティングされる。いよいよ本日のメイン、dustboxの登場だ。

 結成から10年。ある種念願だったこの大ステージに、SEと共にメンバーが現れ、1曲目「Right now」がプレイされる。そして間髪を置かず、立続けに2曲目には、勢いのある中に美しいメロディを隠し持ったナンバー「My will」を。間のボサノヴァをクッションに、また疾走に戻る遊び心も見せてくれた。

 ニュー・アルバムの曲を中心に、今までのベスト的選曲で、時にはフロアをダイブ&モッシュ続出状態にし、時にはミラーボールを回し出し、ハッピー&ポップなナンバーをアクセントに交えたりしたこの日の彼ら。途中の「大バコだと思って臨んだけど、演ってみるとライヴハウスの匂いがしたんで安心した」とのMC通り、後を飾っているバックドロップ以外は、この場所だからといった特別な演出や特種効果もあえてせず。曰く「昔この場所で観て来た、憧れの海外のバンド達と同じステージに立てた」という感動のわりには、普段のライヴハウスでのライヴの中の一本として、終始全力疾走&疾風怒濤のごとく、タフにプレイをし続けた彼ら。それに呼応するように、フロアも特別な事は一切ナシ。最前列から最後尾まで、ノリまくり、コブシがあがり、一緒に歌い、所々でダイブやモッシュが起こっていた。これもまさに通常の彼らのライヴの光景と同じだ。
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  そして後半戦は、"これでもか!!"とばかり、さらに畳み掛けるように、ドラムの16のハイハットにベースが絡み、そこにギターも加わり、その3人揃った時の一丸性がたまらない、ラストに向け広がっていく「Flash Back」。途中のメローな部分では、関係者も多数居る2Fも含め、まさに会場中が腕を振った「I remember you」と、"まだまだ行けるゼ!!"的に、勢いのあるナンバーを連発。そして楽曲に合わせて、ここぞと言わんばかりの大合唱を巻き起こした「Tomorrow」で本編はラスト。

 止まらないアンコールの中、ギターのSUGAが独りで登場。ギター一本のスタンドアローン・スタイルの弾き語りで「LOVE」をしっとりとプレイ。そして、再び他の2人のメンバーも現れ、「10年かかって、ようやく辿り着いた、このAX。夢は追い続ければ叶う」とのMCの後、「Promiseyou」をプレイ。ラストでは、まるで"フロアもステージも一体だ!!"、とばかりにステージの照明が眩しく発光し、その光でフロアも明るくなる光景は、まさに感動的だった。

 そして、ダブル・アンコールで再び登場した彼ら。ベースのJOJIがマイクを持ち、その代わりにベースがヘルプでプレイ。そこにギターも2人加わったトリプルギター体勢にコーラス隊もプラス。そう、これもお約束の一つ、怒濤のブラスト・ナンバー「Neochavez400」がプレイされる。曲の間中、 JOJIがフロアのオーディエンスの大海の中、歌いながら彼らの頭上を運ばれるように、フロアを一周。そして、正真正銘のラストは「Nextstory」。お客さんもこれが最後とばかりに大暴れ。トータル約1時間15分のステージは、気づけば終わっていた。

 共に3人というバンド編成で、メロディック・パンクを基調にしながらも、違った個性を持ち、それをこの大きなステージで余す所なく存分に見せつけた、今回のこの3バンド。〈強い結束と信念さえ持ち続けていれば夢は叶う〉と、僕も含め観に来た多くの人達が勇気づけられたのではないだろうか。

●取材・文/池田スカオ和宏/撮影:H.and.A

⇒dustbox オフィシャルサイト
⇒SABOTEN オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-23 03:15 | ライヴレポート
Tahnya〈2007/11/27掲載〉
2007/10/20@恵比寿天窓.switch
Tahnya【Sketch~in switch~】


特別な夜、ステ-ジと観客との間に、暖かな心地よい時間の流れを作りだす

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 ニュー・シングルのリリースパーティーの意味合いを持った今回のワンマンライヴ。波や風の音を意識したSEのあとに静かに滑り出したnaoの歌声は、 Tahnyaという小船が海へ漕ぎ出すイメージだ。1曲目は「sunrise」。“新しい日が始まる~”という歌詞から脳裏に描く映像が、今回特別に迎えたドラム、ピアノ、ベースのサポートによって膨らみ、これから始まるライヴへの期待が増していく。小さな身体からは信じられない、迫力ある伸びやかな naoのヴォーカルと、バンドセットに入っても決して負けることのない平田のアコースティック・ギターで、楽しく贅沢な時間が過ぎていく。

 装いも新たにアコースティック・セットで始まった2ndセットは、naoと平田の二人きりのステージ。「これまでとこれから」での力強いストローク、パーカッシヴなギターの「地平線」や「初恋」など、演奏がシンプルなだけに、ギターのニュアンスや歌詞の一つ一つがダイレクトに心に響いてきた。再びサポートメンバーが加わり、力強いイメージの「幸の種」。<悲しみをひとつひとつ潰して、そこに幸せの種を植えたい>という歌詞が印象的だ。

 そして本編の最後に演奏されたのは、今回リリースされるシングルのタイトル曲である「握りしめた温もりにありがとう」。ステージのメンバーも観客も誰もが幸せになれる瞬間だった。
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 彼らのライヴには暖かい何かが流れているような気がしてならない。それはオープニングのSEで使われた波の音、ライヴのアクセントとして使われたレインスティック……などの演出もさることながら、実際の楽曲においても、「swim」で表現された水の流れ、「握りしめた温もりにありがとう」での時間の流れ、人の心の流れを歌った「プラネタリウム」や「さよならのストーリー」……。

 流れによって変わっていくもの、そして変わらないもの、そういった中から生まれる人間の様々な感情を、時にはバンド形式で、時には二人だけのシンプルな演奏で紡いでゆく。naoの表現力と平田の歌うようなアコースティックギターは、特別な夜、ステ-ジと観客との間に、暖かな心地よい時間の流れを作りだしていった。
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 ●取材・文/西沢八月/撮影:東京神父

⇒Tahnya オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-23 02:57 | ライヴレポート
RESPONSE〈2007/11/07掲載〉
2007/10/22@下北沢CLUB251
RESPONSE【1night 1nova】


今宵、燦然と輝く一番星

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  「今宵、燦然と輝く一番星」。
 Responceの今回のワンマンライヴを振り返り、僕なりに彼らのイベント・タイトルを訳すとこうなる。今回が4度目となる彼らのワンマンライヴ。満員の下北沢CLUB251の客電が落とされ、真っ暗やみの中、ホワイト・ブルー・ピンクのLEDで彩られた「Responce」の文字が発光。それを背に黒い影と化した彼ら4人がSEの流れる中ステージに登場した。1フレーズのループとドッシリとしたリズム隊、そして、ゆったりとダイナミックに広がっていくサウンドによるインストゥルメンタルから入った、この日のライヴ。そして、そこにたゆたうように乗るヴォーカルと、それを包み込み支え合うように協調していく3声によるコーラス&ハーモニー。

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 じつにゆったりと確かな足跡を残しながら、まるで彼らの現在のスタンスをアピールしているかのような、1曲目の「1time 1nova」に突入。そして間髪入れず、そのたおやかさを突き破るかのように、性急なギターのカッティングから2曲目「Revival」に突入し、彼らの持ち味の一つである、勢いとスリルという、対極的な側面を披露する。続く3曲目「LIFE」にして、早くも会場全体への征服感を感じたのだろう。千葉がギターのTHE ODGEの頬にキスをするという一面も見せつつ、軽い挨拶程度のMCを挟み、4曲目には新曲「スカート」をプレイ。ループ感が不思議な白昼夢と幻想を誘いながらも、間にはカオス&ワイルドな面も伺わせ、ラストに向かって加速していくスリリング度の上昇が妙に高揚感を掻き立てる、彼らの新しい一面を味合わせてくれたナンバーだった。

 そして、5曲目では雰囲気一転。千葉もギターを置き準備万端。巨大なバルーンも飛び出し、ダンサブルなナンバー「蜜柑星交響曲」が始まる。色とりどりに発光するライターを両手に持ち、千葉がファンタジーをさらに演出した。

 ステージもフロアもダンスホールへと一変させた後半、ドラムのみづほがヴォーカルをとり、千葉の姿が見えなくなったと思えば、この曲が終わると同時に、客席後方にスポットライトが当たり、千葉がアコギ一本の弾き語りスタイルで「足長なみだ」を。CDよりもダイレクトに感情移入タップリに披露してくれ、会場全体をしっとりとした気分にさせてくれた。これが終わるやいなや、再び前方のステージでは4つ打ちのバスドラにディメンションの効いたきらびやかなギターのアルペジオのイントロが鳴り響き、「TSUBAKI」に突入。後半のカオスのような感覚と曲が終わった後のポツンと取り残された孤独感に、かなりハマってしまった。ここでようやく一息つくように本格的なMCが。「一度きりの人生。大切にしましょう」との千葉の言葉の後、ミッドテンポで聴く者の胸に愛しい人を想い浮かべさせる曲「LIVIN'YOU」を。会場中の一人ひとりが、まるで遠くを見つめるように聴き浸っていたのが印象的だった。

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 続いては、優し気なアルペジオのイントロが鳴り響き、彼らの中では比較的明るく楽し気なナンバー「夢の唄」が始まる。まるでみんなが同じデイドリームでも見ているような雰囲気にさせられ、ついつい曲に合わせて一緒にハミングしたのは、僕だけではなかっただろう。で、"ここからはいつもの対バン・ライヴでは決して観る事のできない、ワンマンならではの趣向を"とばかりに、普段はギターのTHE ODGEがスタンドアローンの弾き語りスタイルで歌い出すも、後半はバンドが絡んでいくというアレンジで「千の唄」をプレイ。しっとりとした形から入りながらも、最終的には景色をより見えやすく明確にしてくれたアレンジの妙が光るナンバーだった。

 そして、気づけばベースのヒカルが魔女風のトンガリ帽子をかぶってる。そう、ここでベースの光とドラムのみづほの二人による変則「ゴーストバスターズ」(レイパーカーJr.のカバー)がプレイされる。みづほのコーラス時とはまた違った、ソウルフルでパワフルな歌声は聴き応えバッチリだ。そのパーティ的なムードを再度 Response 色に強引に引き戻すべく、後半戦がスタート。赤と紫のライト、そしてストロボが似合う「 JET KIDS 」で、再び彼らのスリリングな世界観に突入。続いて、ストレートなナンバー「 LOST 」。サビのダンサブルな部分では、フロア全体も踊っていたのが印象的だった、浮遊感、開放感、上昇感の漂うファンキーなナンバー「アローン」。そして、本編ラストは、ヴォーカルとドラムによる男女混成のツインヴォーカルの特性を活かした、明るくダンサブルなナンバー「 DATA67 」にて一旦締めた。

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 鳴り止まぬアンコールの中、発光するLEDによる「Responce」の文字。そんな中、彼らが再び登場。前述した色とりどりに発光するライターがフロアのあちこちで発光し、ファンタジックな空間の中、ジワジワゆったりと至福感が広がっていくナンバー「my planets' lives」をプレイ。会場中のオーディエンスを、孤独感から解放して“ONE LOVE”な気持ちにさせてくれた。とは言え、これだけでは満足できず、この曲が終わりメンバーが去った後もアンコールの要求は止まらない。そして、その期待に応えるべく再び彼らが登場。「ライヴのすごいバンドになります!!」とのTHE ODGEの力強い宣言的MCの後、このライヴの冒頭を飾ったインストナンバーをもう一度プレイ。一周回って聴くと、頭の時よりもより力強く響いたのが印象的だった。続いて、彼らの今までの、そしてこれからのマニフェスト的なナンバー「immerse」にて全編が終了した。

 イベント・タイトルに偽りなし。観終わった後、新星、しかも一際輝く巨星を見つけた気がしたのは、決して僕だけではなかったに違いない。

●取材・文/池田スカオ和宏/撮影:松本誠司

⇒RESPONSE オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-23 02:41 | ライヴレポート
くるり〈2007/09/19掲載〉
2007/09/04@中野サンプラザ
【くるりホールツアー2007「ふれあいコンサート」】


音で何を伝えるのか、くるりは非常に明確なビジョンを持っている

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 岸田繁のアイデアは秀逸だ。くるりはアルバム『ワルツを踊れ』をウィーンで録音。弦楽器が大きくフィーチャ-されていたから、"ツアーに出るにあたってはストリングスを連れて行くのだろう"というのが大方の予想だった。が、ツアー直前の7月2日にZepp Tokyoにて行なわれたクリエイティブマンのイベントに出演したくるりを観に行って驚いた。ストリングスは、なんとゼロ。代わりに男性2名、女性1名のコーラスが参加。これが決め手となって、『ワルツを踊れ』のニュアンスが見事に再現されていた。"ストリングスの代わりをコーラスで出来るものなのか?"といぶかしく思う人がいるかもしれない。しかし、くるりはそれをやってのけた。簡単に言えば、弦楽器セクションが発していた倍音を、コーラスが担うのである。それと、コーラスの3人が手にするパーカッションが、実に効果的に使われていた。岸田が今回ウィーンまで行った理由の一端が、このライヴに顕われていた。自分達の作ったトラックに弦を乗せたといった単純なものではない。『ワルツを踊れ』を聴いた時に感じた不思議な“クラシック感”の正体が、おぼろげながら分かった気がした。そして、このサンプラザでのフルサイズのライヴを観て、それが確信に変わったのだった。

 開演前のBGMはナシ。SEはアルバムのオープニングと同じ「ハイリゲンシュタッド」。黒の礼服で登場したメンバーに、期待のこもった拍手が贈られる。岸田繁(Vo.&G.)、佐藤征史(B.)、菊地悠也(Dr.)、カーウィン・エリス(Key.&G.)とコーラス3名の計7人。全員が一礼して、演奏が始まった。「ブレーメン」、これもアルバムと同じ曲順だ。 「ブレーメン」というタイトルを聞いて童話「ブレーメンの音楽隊」を思い出す人は多いだろう。おそらく作者の岸田もその一人。彼にとってのクラシックのイメージは“楽隊”だったりする。堅苦しい音楽ではなく、普段着の日常の中にある音楽なのだ。以前、ワールド・ミュージック・ブーム真只中の頃、坂本龍一が「クラシックはヨーロッパの民俗音楽の一つ」と看破したことを思い出す。そこでは弦楽器が偉そうにふんぞり返っているのではなく、拍子木やグロッケンが活躍したりする。例えば「おもちゃのマーチ」のような遊び心に満ちた音楽なのである。もちろんストリングスの美しい倍音もそうした楽しさの中で聴くと、クラシック=オーケストラとばかりは言えないイメージの広がりがある。

 そんな岸田のクラシック観が、いきなり一曲目から炸裂。ステージのコーラス隊に一瞬驚いたオーディエンスも、彼らの発する倍音やパーカッションにアルバムと同質の楽しさと岸田のキラキラした童心を発見して、すぐにライヴ版『ワルツを踊れ』の世界に引き込まれていった。

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 アルバムから3曲演奏した後、「ばらの花」などお馴染みの曲を挟む。心憎い選曲だ。そして再び『ワルツを踊れ』の曲に戻る。圧巻は8曲目「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」だった。岸田の音楽観を反映した挑発的な歌詞に、スリルたっぷりのリズム、メロディの切れ端が絡む。ベース、ドラム、ギターが激しいソロの応酬を展開する。いつもと違うくるりに、客席はじっと聴き入っている。音楽好きのリスナーが、ライヴに聴き入る姿って、すごく感動的だなあ。
 「ありがとうございます。中野と言えば、オタクの街。私のようなオタクは、中野が大好きです。ヒマがあればブロードウェイを練り歩き、何も買わずに帰ってきます。なんかオタクの雰囲気に囲まれると、母の胎内にいるようで……(笑)」。岸田のユーモアたっぷりのMCに、客席が沸く。「ワンダーフォーゲル」や「ロックンロール」など、ヒット曲を立て続けに演奏して、第一部が終了。そう!このツアーは、実は二部構成のライヴなのだ。

 第二部ではまず岸田が指揮棒を振るパフォーマンスからスタート。鳩時計をモチーフにしたループが流れて、ある意味、これもアルバムのクラシック・テイストを代表する演奏だった「恋人の時計」。オーディエンスもバンド編成にすっかり慣れて、じっくり楽しんでいる。この曲では特に照明がきれいだった。岸田のシタールのようなギターで始まる「スラヴ」は、コーラスとカーウィンの弾くバンジョーが大活躍。コーラス隊のパーカッションが楽しさを一層膨らませる。メロディは大らかなカントリー・タッチで、CDで聴いたあの“不思議なクラシック感”の真意に触れた気がした。それぞれの土地に根づいた音楽が、混じり合うことで生まれる温かみ。それがこのライヴの中心を占めている。続く「砂の星」はアルバム『 THE WORLD IS MINE』収録の曲で、以前のナンバーを演奏しても『ワルツを踊れ』で得たアイデアが活かされていて、バンドとしての一貫性を強く感じて心強かった。

 本編ラストはシングル「ジュビリー」。この曲にはブレイクでギターが“チキチキ”と空ピックで刻むフレーズがある。この岸田のプレイが実に彼のクラシック・パーカッションの解釈を表わしていて面白いのだが、"これをライヴでどんな風にやるのか?"が今日の僕の興味の焦点だった。そして、期待以上にブレーキの効いた「チキチキ」が聴けたのだった。

 音で何を伝えるのか、くるりは非常に明確なビジョンを持っている。アンコールで「BLUE LOVER BLUE」を歌って、アルバム『ワルツを踊れ』を全曲演奏。さらにこの編成でデビュー曲「東京」が聴けたので、充分満足したライヴだった。客席にはDr. kyOnさんや湯川潮音さん、LOVEさん(ex.CORE OF SOUL。現ソロ&ドリカム・スペシャル・バックボーカル)の姿も見え、ミュージシャンズ・ミュージシャンでもあるくるりの実力と注目度もうかがえて、素晴らしいライヴだった。

●取材・文/平山雄一

⇒くるり 8thアルバム『魂のゆくえ』インタビュー
⇒くるり オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-22 16:34 | ライヴレポート
sleepy.ab〈2007/09/05掲載〉
2007/08/13@下北沢SHELTER
sleepy.ab【SOUND ON SOUND】


sleepy.abのライヴを観ることは、そのまま彼らの世界を経験することだ

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  sleepy.abのライヴを観ることは、そのまま彼らの世界を経験することだ。もちろんsleepy.abはバンドだから、音楽を届けることが一番の目的だ。一つひとつの曲を丁寧に演奏し、歌う。一曲ごとに曲調も歌詞の内容も違う。だから「この曲イイね。こっちはイマイチ」などという感想があっていい。だが、僕は彼らのライヴを何度か観るうちに、ライヴ終盤に差しかかると、必ず sleepy.abの世界に自分が引き込まれていることに気が付いた。この夜のライヴも例外ではなく、今まで以上に深く高く彼らの世界を遊んだのである。

 対バンのmayonnaise(ART-SCHOOLの戸高くんの新バンド)が終わって、sleepy.abがセットアップする。照明が暗くなると同時に、独特のサウンドが流れ出した。ギターの音があちこちから飛んでくる。かと思うと、あちこちに飛び去っていく。自分が流星群の真只中にいるみたいだ。「prologue」というタイトルに相応しい、ライヴの入口。いきなり別世界に連れていかれる。

 ギタリスト山内憲介が作り出すエフェクティブなサウンド・ワールドが、このバンドのカラーを決定づけている。2ギター、ベース、ドラムスという普通の編成ながら、山内はステージ中央にエフェクターの城を築き、その真ん中に座ってプレイする。弾きながらエフェクターをコントロールする為に、彼はいつも足袋型のソックスを穿き、ペダルやツマミに足を載せている。

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 sleepy.abを初めて観たのは、2007年5月4日の下北沢251だった。その時は後ろの方で観ていたので、山内の頭が見えるだけ。音だけ聴いていると、キーボード・プレイヤーがいるのかと思った。次に観たのは6月17日@代々木Zher the ZOO。その時は一番前で山内の足元ばかり見ていた。3回目は7月20日の下北沢251。このライヴが素晴らしかった。30分ほどのステージだったが、演奏の背後に流れるストーリーをダイレクトに感じて感動。彼らの世界に浸り切った。

 おっと、8月13日のSHELTERに戻ろう。2曲目の「inside」で雰囲気は一転。ドラムの津波秀樹とベースの田中秀幸がタイトなリズムを刻む。このリズムセクションがいるから、sleepy.abは“浮遊感”などという安易な言葉では語り尽くせない。3曲目「なんとなく」は成山剛のヴォーカルが絶品。ひと言ひと言をじっくり噛みしめて、空中に送り出す。かつ成山自身が弾くクリアなトーンのギター・アルペジオが音楽全体の流れを決めている。加えて田中のハーモニーが美しいニュアンスでリードのメロディの輪郭を彩る。やはりこの4人はすごい。

「札幌から来ましたsleepy.abです。5年前、東京で初めてライヴをやったのが、ここSHELTERです」と成山。「それをリハで思い出して感慨深かった」と田中。4曲目の「四季ウタカタ」で、再びエコーたっぷりのギターが響き渡る。その音を聴いて、目の裏側に青空が広がった。そう、夏の北海道の空だ。……こう思った時点で、僕はすっかりsleepy.abの世界にハマってしまっているのだった。タイトなレゲエのリズムが心地良い。ふと横を見ると、通常のPAとは別にサブミキサー卓がある。ダブの部分はこの“5人目のメンバー”が影で活躍しているのだ。この辺りに彼らのライヴに対する考え方が分かる。ラストは新曲を披露。荘厳なまでに綺麗な曲で、早く音源として聴きたくなった。

 アンコールは「24」。1から24までカウント・アップしていく曲で、ライヴ本編のきっちりした構成美をブチ壊すカタルシスに溢れたナンバーだ。カウントが20を越えた辺りで山内が立ち上がってギターを弾き始めた。シェルターの興奮がピークに達する。その昔、ジミ・ヘンドリックスが「エクスペリエンス」というバンドを組んでいた。〈エクスペリエンス=経験〉。なんともすごいバンド名だが、sleepy.abのライヴはまさにコレだ。改めてそんな想いを強くした一夜だった。

●取材・文/平山雄一

⇒sleepy.ab アルバム『paratroop』インタビュー
⇒sleepy.ab×school food punishment スペシャル対談
⇒sleepy.ab 5thアルバム『archive』インタビュー
⇒sleepy.ab オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-11-22 16:17 | ライヴレポート
AJISAI〈2007/08/09掲載〉
2007/08/09@新宿RUIDO K4
AJISAI 【the Bouncing Soup Show 2007】


AJISAIというバンドの存在理由を再確認したステージ

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 「持てるもの全て注ぎ込みました。僕らはこのアルバムに人生賭けています」と、ヴォーカル松本がその決意のほどを表明した1stアルバム『sunny umbrella』。その言葉の通り、この『sunny umbrella』はAJISAIのターニングポイントとなる作品に仕上がった。その最高傑作を引っさげて、彼らはリリースのひと月前より関東ツアーを、そして8月1日のアルバム・リリースを経て全国ツアーへと旅立った。その数、3ヶ月で27本。3日に1本というハイペースでのツアーだ。この日のライヴは、翌日の水戸ライトハウスを皮切りにスタートする全国ツアーに向けての前哨戦とも言える、彼ら自身による企画イベントとなった。

 トリに登場した彼らは、1曲目にニュー・アルバムより「桜並木」を披露。囁くような松本の優しい歌声が、次第に熱を帯びたものに変わる。「桜」という日本を象徴する花の名前を冠したこの曲は、日本語の美しさを伝えたいという彼らの想いが結実した曲。松本の説得力のある歌声が、会場の空気を引き締める。須江のエフェクティヴなギター・サウンドが特徴の「送信エラー」は、ダンサブルな要素も持ったナンバー。続く「アンバランス」でも須江の冴えたギター・プレイは光り、曲の流れの中での目立ちすぎないギター・ソロには、彼のセンスの良さを感じた。

 「疲れて、もう音楽辞めちゃおうかなって思ったところに、親から“大丈夫か?”というメールが来て、強がって“大丈夫だよ”と返信をする」と、そんなエピソードに次いで演奏された「手紙」は、何かしらの決意を胸に上京した者には響く歌だろう。そして本編ラストに演奏されたのは、AJISAI第二章の始まりを感じさせる「アイコトバ」。無駄なものをそぎ落とし、必要最低限の音で静かに幕を開けるこの曲は、AJISAIの包容力を感じさせるもの。ステージでは若干の消化不良を否めないところもあったものの、彼らの心意気は充分に感じ取ることができた。そして、翌日からスタートするツアーへの意気込みをアンコールで「未来」に託し、全9曲のステージは終了した。
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 本編中盤で演奏された「とびら」で、とても印象的な光景を目にした。一人の女の子が、目をつむり、歌詞を口ずさんでいる。そして曲が終わると同時に開いたその目には、涙があふれていた……。AJISAIの楽曲には郷愁感をともなうものが多い。ノスタルジックで温かく、我々の日常に寄り添うように彼らの歌は存在している。彼女も、AJISAIの歌を心の支えに日々を過ごしているのだろう。年間100本、ライヴをやって移動して、またライヴといった日々を続けていると、「いったい僕らは何のために音楽を続けているんだろう」と、ふと不安に思うこともあるかもしれない。松本がMC で「もう音楽辞めちゃおうかなって思った~」と語ったように、弱気になることもあるだろう。だが、彼らには音楽をやり続ける理由がある。涙した彼女と、生き生きとした表情でステージに立つ4人の姿を見て、AJISAIというバンドの存在理由を再確認した。

●取材・文/田上知枝、撮影/東京神父

⇒AJISAI 2ndミニ・アルバム『キミスキセツ』インタビュー
⇒AJISAI 2ndアルバム『sayonara terminal』インタビュー
⇒AJISAI オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-10-28 14:57 | ライヴレポート
SHAKA LABBITS〈2007/07/14掲載〉
2007/07/14@Zepp TOKYO
SHAKA LABBITS
【the Bouncing Soup Show 2007】


現在のバンドとしての好調さをはっきりと語ってくれた、
オールスタンディングでのステージ


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 5月23日、久しぶりにSHAKALABBITSのライヴを渋谷C.C.Lemonホールで観た。デビューして間もなくの頃に観て以来だから、それからもう10年近く経っている。そして、バンドの成長ぶりに、ストレートに驚いた。演奏力、パフォーマンス、オーディエンスとのコミュニケーション能力のどれを取っても見違えるようだった。バンドの基本には、とても個性的な楽曲作りがあり、何より、歌を伝えることに対するメンバー4人の集中力が素晴らしかった。7月にはZepp TOKYOでライヴがあるという。このステージがオール・スタンディングでどう変化するのか、見届けたかった。早速、取材を申込み、すぐにオーケーが出たので、レポートさせてもらうことにした。

 7月14日、お台場。刻々と大型台風が近づいている。が、Zepp TOKYOに一歩足を踏み入れたら、台風よりすごい熱気。ツアー最終盤のライヴへの期待で、C.C.Lemonホールとは少し異なる興奮が渦巻いていた。興奮と言っても、オール・スタンディングならではのバンドとの親近感が、リラックスした熱になっているのだった。ステージ左右にはメンバーと旅をともにしてきたキュートなオブジェが置かれている。それが、これからSHAKALABBITSと一緒に向かうことになるファンタジー・ワールドの入口にあるゲートに見えた。

 5分遅れでスタート。まずはステージ一杯に蝶が舞うアニメ・フィルムが映されると、大歓声が上がる。コンピューターの打ち込みにTAKE-Cのギターのアルペジオが重なると、すぐにUKIが「ダズリングスープ」を歌い出した。エスニックな香りのする独特のメロディが、緊張感と懐かしさで会場を満たす。C.C.Lemonホールよりずっとスパイシーな雰囲気に応えて、ステージ右にある一角獣のオブジェが今にも歩き出しそうだ。サビでテンポが倍になる部分を、KINGのベースが上手くリードする。
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 次の「少年と白い犬」で一気に盛り上がろうとする客席を、MAHのドラムが落ち着いてコントロールする。メンバー各自が曲に対する想いをしっかり持って役割を果たし、イメージを寄せ合ってライヴの色彩と方向を決めていく。SHAKALABBITSのこのツアーのライヴをもう一度、観に来て良かったと思った。

 4曲目までの第一ブロックは、C.C.Lemonホールと同じ曲目だった。しかし、ニュアンスはかなり明け透けで、ライヴハウスのダイレクトさを充分に活かしている。
「ヤーヤーヤー、こんばんは、SHAKALABBITSです。ようこそ、皆さん!ギュウギュウなので気を付けて、色んな楽しみ方でみんなでライヴを作っていきましょう」。
UKIが最小限の言葉で、オーディエンスとバンドをリードする。ライヴでのお喋りのことを「MC」と言うが、これは「マスター・オブ・セレモニー」の略。つまり大勢の人間が集まって行なう儀式の仕切り役のこと。まさにUKIは“マスター”だった。

 ここからライヴはオール・スタンディング仕様。超アップテンポのスカ・ビートの「CAN’T ESCAPE THE CHOCOLATE SYRUP」。怒濤の第二ブロックで、ステージと客席は完全に一体になった。面白かったのは「IT’S OUR SECRET」のドラム・ソロ。タムのチューニングが絶妙で、まるでドラムが歌っているように聴こえたのだった。
 次のMCはベースのKINGの番。「皆さん、お久しぶり。元気でした? 今夜はサタデーナイト・フィーバーだよ。やられちゃってください」。

 第三ブロックはバンド側が主導権を握って、攻撃的なナンバーが並ぶ。TAKE-Cはギターをレスポールからテレキャスターに持ち替えて、刺激的なサウンドを次々に繰り出す。アレンジも面白く、ヴォーカルとギターだけのシーン、ヴォーカルとベースだけのシーンがあって、聴かせ方がバリエーションに富んでいる。こういう点もSHAKALABBITSのライヴの大きな魅力だろう。「モノローグ」の歌詞がドーンと胸に飛び込んできたのが印象的だった。また「ROLLIE」ではオーディエンスが歌いっぱなし。歌の心をバンドと会場が共有するシーンは感動的だった。

 ライヴも終盤だ。「上手じゃなくてもいいから、一人一人の飛び方で目の前の壁を越えよう」とUKI。始まった「Ladybug」で客席の中に紙吹雪が舞う。歌とシンクロして、美しい場面となった。最後はプッシュの効いたナンバー「Raise up」。ドラムの前にTAKE-CとKINGが集まって、お互いアイ・コンタクトを取りながらの演奏だ。歌詞と相まって、バンドらしい一体感が醸し出される。終わってみれば、ほとんどMC は無し。音楽ですべてを言い切る潔さに溢れるライヴだった。
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 終演後の楽屋通路でメンバーに会うことができた。久々にSHAKALABBITSのライヴを観たことを話すと、UKIが「今日はモニターの状況が分からなかったので、メンバーお互いを目で感じながら一緒にやろうって日だったんですよ」と教えてくれた。続けてTAKE-Cが「以前はライヴ中に誰かが失敗して気分が落ちると、みんながダウンしてたけど、今はみんなで挽回できるようになった」と、現在のバンドとしての好調さをはっきりと語ってくれた。

 この翌々日、SHAKALABBITSはツアー・ファイナルを横浜ブリッツで無事やり遂げて、レコーディング期間に入った。バンドとしての充実が来年の春にどんなアルバムを生むのか。楽しみに待つとしよう。

●取材・文/平山雄一

⇒SHAKA LABBITS オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-10-28 14:36 | ライヴレポート


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