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<Podcastインタビュー>
平山雄一の「ライヴハウス虎の穴」

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カテゴリ:ライヴレポート( 222 )
Qomolangma Tomato〈2008/10/29掲載〉
2008/10/11@代官山UNIT
【PUBLIC NOISE FADE OUT vol.6
Qomolangma Tomato ONE-MAN SHOW!!】


目をしっかり開けて楽しみたい、リアリティのあるライヴ
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 ワンマンライヴに胸をときめかせているのは、バンドもオーディエンスも同じ。UNITで開演を待つ時間がガヤガヤと過ぎていく。「あいつらだけを観に、こんなに人が集まってくるなんて、ちょっと感激」と、首にタオルを巻いた女の子が友達に話している。いつもイベントで観ていたQomolangma Tomatoが、単独でこんなに支持されるバンドに成長したなんてと、彼女は心から嬉しく思っている。人ごみを掻き分けて、前のほうに消えていった。

 メンバーが登場する。ドラムの大工原がいきなりペットボトルの水を客席にぶちまける。その水が勢いあまってヴォーカルの石井にかかってしまった。水を浴びた石井が「おい、今日、オマエ頑張れよ!」と大工原に声をかけてから前を向き、「Qomolangma Tomato、始めます」と宣言してライヴが始まった。

 太いビートを背に、<いい加減な人間がいい子に育っても 仕方がないのかな>と歌い始める。「深夜徘徊」だ。石井の声はまっすぐに言葉を運ぶ。マイクを右手で握りしめ、一人一人に語りかけるように歌う。そのまっすぐさは、まぶしいくらい素敵だ。途中で吹くブルースハープも、言葉のようにぽろぽろスピーカーからこぼれ出してUNITを満たす。今日、バンドはすごく調子がいいようだ。
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 2曲目の「FIVE SENSES-FIVE MINUTES」で早くも最初のピークがやってくる。小倉のギターが叫ぶ。バンドのスピリチュアルな支柱、山中のベースが、大工原のドラムと合い始めた。石井がマイクを握ったまま手を振り上げると、それに応えてステージ前のオーディエンスがモッシュを開始。バンドとオーディエンスががっちり噛み合った力強い盛り上がりだ。跳ねるビートの「商店街」で、バンドはさらにテンションを上げていく。骨格のしっかりした音に、懐かしくて温かい言葉達が降り注ぐ。目をしっかり開けて楽しみたい、リアリティのあるライヴだ。

 「Qomolangma Tomatoです。今日はどうもありがとう」と石井がワンマンライヴの歓びをストレートに表わす。アバンギャルドなサウンド・アプローチと、こうした素朴なバンド・キャラクターのギャップもQomolangma Tomatoの魅力の一つ。決して万人向けのポップではないけれど、彼らの音楽の底には本質的な“親しみやすさ”が流れている。

 オッと思ったのは歌モノの「無垢ではない」だった。懸命に歌う石井が、ギリギリで音程を外す。そこがまたチャーミングなのは、彼がリリックを身を削って書いているからだ。小倉のギター・ソロに耳を傾ける石井の姿が目に焼き付く。
 「今日、来てくれてどうもありがとうございます。Qomolangma Tomatoの企画“PUBLIC NOISE FADE OUT”も6回目になりました。今回はワンマンです。何かやらなきゃいけないんじゃないかというバンド内の気持ちが、今日の形になりました。これがどこへつながっていくのかは分からない。僕達はそれを確かめなきゃならないんです。新しい曲を作りました。聴いてください」。このMCが 石井流。真剣に生き、真剣に音楽を追求する姿勢がそのままMCに表われる。そうして歌われた新曲は2曲。特に2曲目は大作で、暗いトンネルを全力疾走で駆け抜けるような力感とカタルシスがあり、終わって大きな拍手が起こったのだった。
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 リズムのユニゾンが気持ちいい「静寂と壁と闇」、ダンサブルな「through your reality」など、ライヴの熱がぐんぐん上がっていく。音圧に若干物足りなさを感じるが、バンドの直情的な行きっぷりがそれを補って余り有る。「359°は捨てる」で石井はフロアにダイヴし、オーディエンスに肩車されて歌った。バンドとフロアの歓びは頂点に達し、さらに石井はギターを肩から下げて、弾きながら歌う。初のギター&ヴォーカル姿に客席は大興奮だ。というより、これまで石井はハンドマイク・スタイルを貫いてここまで来た。多くのバンドのヴォーカルがギターも弾くのが当たり前になっている現在のライヴハウス・シーンで、独自のスタイルを創り上げてきたことを、改めて評価したい気持ちになった。ライヴの最後には、また新曲を披露。ミディアム・スロー・テンポで荒廃した街を描き出す本格的バラッドで、すでに名曲の風格さえ漂わせていた。
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 アンコールで再び現われた石井が話し始める。「ゆるいのか激しいのかよく分からない音楽に付き合ってくれて、ありがとう。今、小倉が腕がつってて、伸ばしてる」。すぐに元気な小倉が登場して、拍手を浴びる。石井が続ける。「最近、僕の弟に子供が生まれたり、家族が病気になったり、音楽をどうしようかと考える夏の終わりでした。自分のやっているのがどの程度のことなのか、よく考えました。今日のアンコールに応える曲は、この曲です。身の周りの出来事は軽く僕のキャパシティを超えている。そういう曲をやります」と「capacity」を歌う。たて続けに「蒸発のイメージ」。演奏はもちろん、MCやパフォーマンスを含めて、Qomolangma Tomatoとオーディエンスが強い信頼感で結ばれていることが伝わってきたのが、いちばんの感動だった。

 4人が並んでつないだ手を上げ、深々をお辞儀を3回する。ライヴのスタートからテンションの高かった大工原がダイヴする。ワンマン成功の嬉しさを身体中にみなぎらせて、メンバーがステージから去っていった。帰り際、誰かがキーボードに触れ、「キポーン」とユーモラスな音を発して笑い声が起こる。なんだかあったかい気持ちになるワンマンライヴのエンディングだった。

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●取材・文/平山雄一、撮影:小野塚恭平

⇒Qomolangma Tomato オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-12-08 11:44 | ライヴレポート
犬が吠える / スパルタローカルズ / the telephones / People In The Box〈2008/10/15掲載〉
2008/09/24@赤坂BLITZ
犬が吠える / スパルタローカルズ /the telephones /
People In The Box【924】


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元Syrup16gの五十嵐 隆が
「犬が吠える by Takashi Igarashi」として登場!


 注目のイベントだ。出演は、元 Syrup16gの五十嵐 隆が新たに結成した「犬が吠える」、スパルタローカルズ、the telephones、People In The BOXの4アーティストで、どれをとっても個性派ばかり。キャリアも様々で、出演順からして興味津々だ。そんなキャスティングを受けて、会場を埋めた超満員のオーディエンスもタフなライヴ・ファンばかり。まず歓声を浴びて登場したのはPeople In The Boxだった。

 今年の初めあたりからリスナーが盛んに話題にするようになったPeople In The Boxは、波多野裕文(Vo.&G.)、福井健太(B.)、山口大吾(Dr.)のトリオ編成。最初にステージに現われた山口は、ヴォーカルマイクを通り過ぎる時、「AX、でけーなー」とひと言。会場から笑いが起こる。福井に続いて波多野がぺたぺた裸足で現われた。ライヴは「はじまりの国」からスタート。弾けるような変則リズムが、AXをぐんぐんバンドの色に染めあげる。続く「6月の空を照らす」も同様に変則リズムながら、躍動感がいっぱいだ。この3人で表現できる音楽の限界を突き詰めている気迫が伝わってくる。よく練られたアンサンブルだ。3曲目「月曜日消失」が終わって波多野が「よろしく」と挨拶して、その後を山口が引き継いだ。

 「いやー、AX、でけーなー。People In The Boxです。ご覧の通り、4人バンドです」とゆるゆるのジョークを言うと、また会場が笑う。いいお客さんだ(笑)。「全力でぶっ殺していくんで、よろしく」。ここからバンドは本領発揮。とにかくドラムがよく“歌う”。「完璧な庭」では歌詞とぴったり寄り添う変則ビート。波多野もフェンダー・ギターの音色を活かして自らの歌を盛り上げる。メロディをサポートする福井のベースもいい。ハイライトは「ユリイカ」だった。いよいよドラム&ベースの呼吸が合い、ギターのコードワークも冴え渡る。まるで3人がオーケストラのように一つの音楽を作り上げる。それぞれのメンバーが付けるアクセントも効果的でまったく飽きさせることなく、名曲の風格漂う「ペーパートリップ」でライヴを終えた。
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 期待にたがわぬイベントの2番手は、the telephones。石毛輝(Vo.&G.,Syn.)、長島涼平(B.&Cho.)、岡本伸明(Syn.&Cho.)、松本誠治(Dr.)の4人がカラフルなアフロヘアーのウィッグを着けて登場したとこらから、いきなり騒がしい。ミラーボールが回る中、メンバーが円陣を組んで、客に盛り上がりを強要。ウィッグを投げ捨てて岡本が「どーっと行こう。全国的に狂乱開始!」、石毛が「ア-ユー・ディスコ?!」と叫んでAXが一気にダンスホールと化したのだった。

 松本のバスドラが4つ打ちを刻む。石毛のハイトーン・ヴォイスに絡んで、岡本がめちゃくちゃ動き回りながら奇声を発する。文字どおり狂乱のステージ。会場はアガリまくりだ。「DaDaDa」に続く「RIOT!!!」は、ちょっとテクノ風なリズムに乗って、石毛のロックなギターが暴れる。途切れずに流れる4つ打ちをバックに、石毛が「調子はどーですかぁ?」と煽る。「色んな人がいて、色んな音楽があって、楽しくやります。1500人のジャンプを見せてくれ! 次は踊れるナンバーです」……って、もうみんな踊ってますって。「It's OK」でさらにAXが上がる。分かりやすいダンスビートに、ハードロック・テイストのギターが駆け巡り、シンセがスパイシーなカラーを加えるのがthe telephonesの得意技だ。「Love&DISCO」は出来たての新曲。

 「さいたまから来ました。東京でのライヴは2ヵ月ぶり。ライヴハウス大好きです。今日、呼んでくれた社長(UKプロジェクト・遠藤氏のこと)は何考えてるか分かんないおっさんですが、大好きです。最近は岡野ハジメさんにプロデュースしてもらってレコーディングしてました。せっかくですからもう1、新曲やります」と「Beautiful Bitch」。70’Sのラテンロックの雄、サンタナみたいなサスティーンの効いたギターが炸裂する。こいつら、一体どんな音楽を聴いて育ってきたんだろ。ふと見ると、僕の隣の席でプロデューサーの岡野ハジメ氏がステージを見ながら爆笑している。ひたすらハッピーでにぎやかなライヴだった。この夜披露した新曲が入っているミニ・アルバム『Love&DISCO E.P.』は11月19日にリリースされる。
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 若手バンドの大騒ぎが終わって、次はスパルタローカルズ。いぶし銀のステージだ。BGMのグランドファンク・レイルロード「アメリカン・バンド」が鳴り響く。安部コウセイ(Vo.&B.)、伊東真一(G.)、安部光広 (B.)、梶山 剛(Dr.)の4ピース。ジャキジャキの2ギターのコードカッティングがぶつかり合うシャープなサウンドが、このバンドのトレードマークだ。ん?? ステージには3人しかいないぞ。と思ったら、どこからともなく安部コウセイの声が聴こえてくる。あっ、客席の中からオーディエンスを掻き分けての登場だ。ステージに上がると、安部はシャドーボクシングをキメてギターを肩にかけて「THE CLUB」を歌い出した。2曲目は「黄金WAVE」。言葉を投げつけるようにして歌うヴォーカルには、特別な力がある。それまでの2バンドとは違ってメロディがストイックなので、縦に揃ったビートとともに独特の世界観がAXに広がっていく。バスドラが4つ打ちを開始して、コウセイが会場を煽ると、応えて伊東が髪を振り乱しながらギターを鋭くカッティングする。「UFOバンザイ」だ。

 「噂のスパルタローカルズでございます。今年の夏は色々ありまして。地面にこびりついてしまった影に、おさらばしたいですね……『バイオレンスサマー』!」と言って歌い始める。とても男くさいステージングだ。だから「パレード」の<今からいちばん大事なものを君に届けに行く>といったリリックが観客にすんなり吸い込まれていく。ラストはオーディエンスとの“バカヤロー”のコール&レスポンスで始まる「ばかやろう」で、痛快に締めくくったのだった。
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 それまでの3バンドのライヴに充分刺激を受けたのだが、この日もっとも衝撃的だったのは最後に登場した元Syrup16gの五十嵐隆が新たに結成した「犬が吠える」だった。Syrup16gからずっと聴いてきたファン達だろう、登場前から「イガラシー!!」という熱いコールがAXに飛び交っている。彼が今夜、どんな歌を歌うのかという期待に、フロアは底から熱くなっている感じだ。

 バンドは女性ドラマー&ベーシストと、ブルー・メタリックのストラトキャスターを下げた男性ギタリストの3人。五十嵐はレッドのストラトだ。リズム・セクションの繰り出す柔らかいビートに乗って、五十嵐は<歩き出そう>と祈るような声で歌い始めた。オーディエンスは微動だにせずに、聴き入る。高い緊張感が会場を支配する。みんな、ひと言も聴き逃すまいと耳を傾けている。2曲目は五十嵐がギターをミュートして刻み、ギターのkonoがイマジナブルなコードを弾く。ベースのジョーコとドラムのyokoがアイコンタクトして曲をスタートさせた。<いつになればオレを許せるんだろう>という言葉が、聴いている者の心に突き刺さる。“退屈なこと”といった負の感情を孕んだリリックを並べて歌う五十嵐。その後をかたずを飲んで待っていると、五十嵐は<うらやましい>と結ぶ。その展開の意外さと痛さに、とても感動したのだった。
 この夜のセットリストは公表されていない。初めて聴く歌ばかりだったが、メロディとリリックの深さと真摯さは、まれにみるものだった。終わって隣の岡野氏が「久しぶりに“清聴”したね」と噛み締めるように言った言葉に深く同感したのだった。
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●取材・文/平山雄一

⇒the telephones オフィシャルサイト
⇒the telephones 2ndミニ・アルバム『Love&DISCO E.P.』インタビュー
⇒People In The Box オフィシャルサイト
⇒People In The Box 1stシングル『Sky Mouth』インタビュー
⇒People In The Box 2ndミニ・アルバム『Bird Hotel』インタビュー
by ex_musicmall | 2010-12-08 01:02 | ライヴレポート
J〈2008/09/17掲載〉
2008/08/31@赤坂BLITZ
【J MID SUMMER TOUR 2008 -RIDE my FIRE】


Jの男気と優しさを伺い知ることになった仕切り直しライヴ
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 8月12日@赤坂BLITZ。本来なら、Jの誕生日であるこの日に【J MID SUMMER TOUR 2008 –RIDE my FIRE-】は行なわれるはずだった。ところが、開演時間の19時を過ぎて、時折ローディーが機材のチェックをする姿が見受けられるも、ライヴが始まる気配はない。SOLD OUTし、会場の隅々にまでパンパンに詰まったファンから、穏やかでない空気が流れ始め、どよめきが起こる。そして40分を過ぎた頃、ステージに姿を現わしたのは、Jでもバンドメンバーでもなく、イベンターの担当スタッフだった。

 祈るようにステージを見つめるファン達へ、次のことが告知された。Jの声帯に極度の炎症が見られ、ドクター・ストップがかかったこと、ライヴは幸いにも空いていた8月31日に同じく赤坂BLITZにて急遽延期されることになったこと。まったく予想だにしていなかった状況に、さらなるどよめきが起こった。そして、自らファンに状況を説明しようと、ステージにJが登場。ファンへ、「とても残念なことだけれど、パーフェクトな状態でできないのはもっと申し訳ない。31日には倍返しするから」といった旨のメッセージが伝えられた。場内のあちらこちらからは「頑張って!」といった声と、♪HAPPY BIRTHDAY~の歌が自然発生的に沸き起こり、それを背に、Jはバックステージへと姿を消したのだった。
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 そして夏休み最後の日となる8月31日。Jがファンへ「倍返し」する日。赤坂BLITZにはファンが再び集結、仕切り直しとなった【J MID SUMMER TOUR 2008 –RIDE my FIRE-】が行なわれた。

 場内が暗転すると、大歓声が上がり、いっせいに拳が振り上げられる。その期待感たるや、ファンのほうにも「倍返し」するとばかりに気合が入っているのが分かる。最新アルバム『RIDE』より、「final call」でライヴはスタート。強靭なビートを叩き出すスコット・ギャレットは、体をほとんど揺らすことなく、腕だけであれだけの音を出すのだから恐れ入る。Jの喉の調子もよさそうだ。

 壮大なスケールを感じさせる「I feel you」ではフロアがいっせいにジャンプ。いっそうの盛り上がりを見せる。ここで最初のMC。「オーライ! 会いたかったぜ! 誕生日はズレちゃったけど、その分今夜は倍返しでいきたいと思います。夏の最後のこの日に、とことん暴れて帰ってください!」。対するファンも精一杯の歓声をJにぶつける。突如キャンセルされた8月12日。泣きながら会場を出るファンの姿も多く見られたが、今日のこの会場に涙はなく、あるのはJに再び会えたことを喜ぶ満面の笑みばかりだ。
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 「So High」の後には、「新しくなった赤坂BLITZは初だからね。ここまでは来たけどね、それはカウントされてないから(笑)。初にして延期ってのも俺くらいじゃね?」とファンを笑わせる。「Speed of Love」「island」では、しばしのクールダウン。それまでの勢いあふれるナンバーから一転、メロディアスに迫る。続く「Snake Beat」も重心が低めのグルーヴィーなナンバーで、Jの新しい魅力を感じることのできる楽曲だ。

 9曲目「BURN OUT」は、LUNA SEAのベーシストとして活躍したJがソロでデビューを飾った記念すべき1stシングル。ファンのこの曲への思い入れは半端じゃない。フロアにはモッシュとダイブが巻き起こり、それを嬉しそうに笑いながら眺めるJの姿が印象的だった。曲間のクラップハンズが軽快な「BUT YOU SAID I’M USELESS」、最新シングル「RECKLESS」など、本編では13曲を披露。ニュー・アルバム『RIDE』の曲が中心となったが、アルバムで聴くよりも俄然熟成されており、藤田“CBGB”タカシ(G.)、masasucks(G.)、スコット・ギャレット(Dr.)というバンドメンバーを率いるJの現在の充実ぶりが示された内容となった。
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 アンコールの声にステージに呼び戻されたJは、なんとフロントに「MY BIRTHDAY IS CANCELED」とプリントされた自虐的なTシャツを着て登場! これにはファンも大ウケ(笑)。そして、改めて、♪HAPPY BIRTHDAY~がJに向けて歌われたのだった。

 アンコールは藤田のギターソロが冴えわたる「Feel your blaze」、masasucksがステージ前に出てきてソロを魅せた「NOWHERE」と続き、ラストはおなじみ、“燃やし尽くせ!”という強いメッセージが込められた「PYROMANIA」。間奏のアルペジオを合図に、ファンがそれぞれ手にしたライターに火を灯し、場内が荘厳な空気に満たされた。

 最後の最後に放たれたメッセージ。「お互いタフになって10月にまた会おうぜ! それまでは、何があってもくたばるなよ!!」。10月から3ヵ月連続のマンスリーライヴが行なわれる。この日のライヴからたった1ヵ月半後のライヴとはいえ、人生何が起こるかわからない。8月12日のライヴだって、J本人もまさかキャンセル(延期)することになるだろうとは夢にも思わなかったはずだし、だからこそ誰よりも悔しい想いをしたに違いない。それだけに、「何があってもくたばるなよ!!」という言葉には深い実感が込められており、何よりJの優しさを伺い知ることになったのだった。
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●取材・文/田上知枝

⇒J オフィシャルサイト
by ex_musicmall | 2010-12-07 10:11 | ライヴレポート
sleepy.ab〈2008/09/17掲載〉
2008/08/29@下北沢CLUB 251

完全に時間の感覚を麻痺させられる、独特のステージ

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 その前まで演っていた同じ北海道出身のオルタナ系ロックバンド、the blondie plastic wagonが吐き出すように音を放ち終わると、まるでそれまでの世界が嘘であったかのように、静けさが辺りをつつんだ。それにハッと気付き、思い出したように転換のBGMが会場に流れ出す。ゆるやかでたゆたうような幻想さも交えたBGMの中、sleepy.abのメンバーが自身の楽器や機材を持ち、ライヴセッティングのためにステージに現われる。念入りに、丁寧に音のチェックをする彼ら。むろんギタリストの山内の足下には無数のエフェクターの乗ったボードが設置され、さらに念入りにエフェクターのつまみの微調整が始まる。音がしっくりくることを確認すると、そのままライヴの体勢に突入。客電が落ち、彼らのライヴはスタートした。
 
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 荘厳なイントロからハイハットのカウント。ゆるやかな上昇感と至福感漂う「メリーゴーランド」で、この日の彼らのライヴは幕を開けた。ひんやりと優しく歌われるギター&ヴォーカルの成山の歌声と演奏が未明から夜明けまでの光景を浮かばせる。寄せては返す心地良いたゆたい。山内のギターから生み出される心地良いフィードバック音が身体をつつむ。その体躯や風体からは想像もできないほど(失礼)のタイトで繊細なドラミングを続ける津波のドラム。音数少なくともファットで低音部を支える田中のベース。そう、このリズム隊の安定があるからこそ、山内のギターが思いっきり泳ぎ回り、たゆたうことができるのだ。持続する心地良さの中、ラストに向かうにつれ、とてつもなく明るく広がっていく。ゆるやかで単調ながら、色々なドラマ性を含んだナンバーだ。続いて、カウントとバスドラの連打から不穏でスリリングな世界へと突入。2曲目は「mass gymnastic display」だ。田中のベースもソリッドに動き出す。そして間奏部に突入すると、突如やってきたのは、まるでライヴハウスの空間を捩じ曲げてしまうのではないかと思えるほどの山内のギター。うーん、たまらない。
 
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 3曲目はヴォーカルの成山の歌い出しから始まる「なんとなく」。まるで深海で愛撫されているような優しく柔らかな歌声が会場をつつむ。彼の歌声は澄んで透明に聴こえるが、不思議とその類のヴォーカリストが有している、ピュアな歌声とはちょっと違う。いわゆる酸いも甘いも噛み分け、行き着き、たどり着いたある種の穏やかな歌声とでもいうか……。それに呼応するように山内のギターも小宇宙を描き出す。コード展開や劇的なメリハリに頼らないドラマティックさ。そう、彼らの楽曲構成と世界観は、今の同世代のロックバンドが見せるそれとは明らかに違う。それはこのシーンの中でも稀有なものとして僕は捉えている。

 続いて、津波が変則な16ビートを叩き出し、その上に山内のギターが作り出す、薄く流れるカタストロフィ系のギターフィードバック音が乗る。そして、スライドを活かした田中のベースもアクセントになって重なる。そう、彼らのレパートリーの中でもわりと"激"を感じるナンバー「sonar」の登場だ。何度もやってくる微妙な高揚感。イキそうでイカない。これも彼らの音楽性の特徴的なところ。
 
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 5曲目は「メロディ」。おだやかなまどろみ感がひんやりとした手触りとフワッとした白昼夢的世界観を与えてくれるナンバーだ。やけに輪郭のきっちりした津波のドラムも印象的。山内はピックを使わずに、まるでデリケートさや繊細な部分までも大切に、自身の指でダイレクトにそれを確かめるように、弦を響かせ、足下の無数のエフェクターを駆使し、曲ごとに独特の雰囲気を作り出す。

 ここでようやくMCらしいMCが飛び出す。次のライヴの告知などをベースの田中が告げる。そして、ラストはゆるやかに冷ややかに幸福感を持って広がっていくナンバー「ねむろ」。まどろむようにたおやかに上昇したり下降したり。幸せ感からだんだんと激しさを帯び、最後に味あわせてくれる途方もない広がり。まさに全身を預けるしかない。

 いつもながら完全に時間の感覚を麻痺させられる、彼らのライヴ。この日も例外ではなく、浸り、気づいたらいつの間にかライヴが終わっていた。きっと会場を埋めた多くのお客さんが、彼らを観に来たのと同時に、彼らの発する各曲ごとに於ける世界観に浸りに来たのであろう。彼らのプレイ中のお客さんの夢見心地の表情を見ながら何度もそう思った。
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●取材・文/池田スカオ和宏、撮影:川合 泉

⇒sleepy.ab オフィシャルサイト
⇒sleepy.ab 5thアルバム『archive』インタビュー
⇒sleepy.ab 【SOUND ON SOUND】ライヴレポート
by ex_musicmall | 2010-12-07 01:40 | ライヴレポート
SNAIL RAMP / つしまみれ / a flood of circle / Jeepta / 他〈2008/09/10掲載〉
2008/08/30@新宿LOFT
【LIVESTAR's FES Vol.5】


ライヴにこそ真実がある!
SNAIL RAMP、つしまみれ、a flood of circle、Jeepta、
クリープハイプらが出演した良質イベント


SNAIL RAMP / つしまみれ / a flood of circle / Jeepta / 他〈2008/09/10掲載〉_e0197970_1224959.jpg
 “ライヴにこそ真実がある!”をキーワードに開催された「LIVESTAR's FES」。音楽を愛する者にとってのこのイベント、5回目となる今回は、“ロックの殿堂”新宿LOFTにて開催。メインステージと、バーが併設されたサブステージを使用してノンストップで展開し、音楽で包みこまれる隙を与えない空間が彩られた。

近距離ならではの臨場感で迫るサブステージ
 サブステージのトップを飾ったのは3ピース・バンドのVIRIDIAN。田中未希(b,vo)と湊梨央子(g,vo)の女性二人がフロントを飾るこのバンドは、とにかくエネルギッシュ。小柄な体からは想像もつかないパワーが漲っていたのが印象的だ。調和を促す繊細かつアッパーな影山広輔のドラムをベースに、ガレージ要素を含んだ荒削りなギターが響き渡る。ギターロックでありながらも、口ずさみやすいポップ・センスをも兼ね備えているのが特徴的で、5曲目の「Make No Systems」はその真骨頂。一度聴いたら脳裏から離れないリフは、ライヴでもあっと言う間に観客を引き込んでいた。
 
 二番手を飾ったのが、これまた勢いのあるVolume.9。白いフリルのブラウスを着こなす個性的なギタリスト長野貴史の動きもさながら、とてもパワフルなガレージ/オルタナ要素を含んだツイン・ギター・バンドである。「I’m rockは夢の戦場だ」では、キョトンとしていた観客までもが一緒に声を出してしまうほどのノリの良さを魅せつけた。ガチガチのギターロックのオンパレードかと思いきや、いきなりガラリと変貌し、中村義彦の儚い歌声が印象的な3曲目「未完成」を披露。切ない空気感を含んだ美メロでステージパフォーマンスも瞬時に変わり、観客もその空気感にあっと言う間に吸い込まれていった。バラエティーに富んだ楽曲の数々もそうだが、エナジー溢れるパフォーマンス然り、彼らは“観る者を瞬時に引き込んで飽きさせない”という言葉がとても似合う、エンターテイナー性も抜群のロック・バンドだった。

 お次は3ピース・バンドのクリープハイプ。全体的なバランス、楽曲のみならず、ヴォーカルでありフロントマンでもある尾崎世界観のMCも含め、観客を自然と“聴きの態勢”に持ち込んでしまう才能に長けている。1曲目「アメリカかぶれ」では轟音ギターをかき鳴らし、どこか懐かしさを感じる良質のポップ・ソングが印象的だった。ハイトーンヴォイスが独特の世界観を生み出し、同時に心に突き刺さってくるのは失恋的な歌詞が多いからだろうか、甘酸っぱさをも漂わせた楽曲の数々はクリープハイプならでは。4曲目の「マルコ」では、どんなに一緒にいても言葉だけでは伝わらないという歯痒い感情を歌っていた。ノスタルジックな感情に浸ってしまうのも、きっと、誰もが考えるような日常的な恋愛の悩みや思いを歌にしているからなのだろう。ライヴで彼らの全てをもっと見たく……ではなく、聴きたくなる、そんな魅力を持ち合わせたバンドだ。
 そして、サブステージのトリを飾ったのは、10月8日に2ndミニ・アルバム『進化論』の発売を控えたJeepta。つねにパワフルなステージを披露してくれる彼らは新曲を引っさげての登場。狭いステージながらも楽器を手にするや否や、瞬時にJeeptaワールドを展開する。紅一点、青木奈菜子のパワフルなドラミング然り、1曲目「Loop」から牙を剝き出したようなパフォーマンスであっと言う間に観客を魅了してしまうスタイルには、Jeeptaの技量が伺える。そのまま流れを止めることなく2曲目の新曲「フレグランス -色探し-」へと突入。相変わらず個性的なchoroのギターラインとトチ狂ったかのようなフレーズは、感情を揺さぶって観客の心情を突き動かしていく。 思わず前のめりになってしまいながらも、4曲目の新曲「進化論」では、彼らの真骨頂とも言える“憂い”が凝縮された楽曲を披露。ヴォーカル石井卓の儚い歌声がとても印象的で、バラード要素も含まれた仕上がりには、聴く側もセンチメンタルさを隠せない。「人は哀しみには気付きやすいけれど実際は喜びも多く、本当はその喜びに気付くことが大切なのです」と石井卓がMCで語ると、深く頷いている観客が目についた。等身大の感情をリアルに描いているからこそ、ライヴではいい意味でのゾクゾク感をつねに与えてくれるのだろう。今後も要注目バンドであることは間違いない。
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連日、音楽の歴史が刻まれ続けているメインステージ
 サブステージからVIRIDIANの一発目のスネアの音が聴こえてきた。さあ、4時間ぶっ通しのイベントの始まりだ。メインステージに最初に登場したのは、a flood of circle。ブルースですべてを塗りつぶす覚悟の2ギター・バンドだ。一曲目の「泥水のメロディー」はそんな彼らのスタイルをシンボライズするナンバーで、ヴォーカル佐々木亮介のメロディーを追い掛ける岡庭匡志のギターの切れが抜群にいい。ちなみに佐々木はテレキャスターのストラップを短くして、かなり上に構え、おもにシャッキリしたコードワークを担当している。いっぽうの岡庭は買ったばかりのレスポールを、ボディ全体を鳴らすようにして思い切り弾く。そんな2ギターの背中を圧倒的な音圧で押すのは、ドラムス渡邊一丘、ベース石井康崇のリズムセクションだ。印象的なギター・リフを中心にした正統派ロックが身上で、前回の「LIVESTAR’s FES」に出演してもらったO-WESTでのステージより遥かにスピード感が増している。今後は彼らならではのどっしりとしたミディアム・ナンバーに期待したくなってしまう。伸び盛りのバンドは、こうでなくちゃ!
 圧巻は6曲目「プシケ」だった。野太いドラムを元に組み立てられたリフで突き進みながら、メンバー紹介を織り交ぜる。バンドの結束とポリシーとグルーヴが一体となったハイライト・チューンで、フロアから大きな拍手が巻き起こった。彼らはここLOFTをホームに活動するバンドなのだが、これまで10回を越える出演の中で「一番の出来だった」とメンバーが打ち上げで語っていた。早くもイベントの大成功を予感させるライヴだった。
SNAIL RAMP / つしまみれ / a flood of circle / Jeepta / 他〈2008/09/10掲載〉_e0197970_1172174.jpg
 noodlesが始まる前に、フロアでmercydoのヴォーカル&ギターの日置くんにバッタリ。聞けばnoodlesのファンなのだという。そう、この女性3ピースは洗練されたソング・ライティングでミュージシャンのファンも多い。まずはAYUMIのタムタム・ドラムが奏でる、ファットなビートのインストでスタート。終わるとすぐにYOKOがパラリとギター・コードを弾いて、単刀直入に歌い出す。この辺りの潔さが、バンドマン心をぎゅっと掴むのだ。コードに沿ったシンプルなギター・ソロもいい。そしてもっといいのは、YOKOが歌う時、ギターのネックを引き寄せて立てながら弾くのだが、キュートな声と合わさって独特のクール・ビューティが生まれる。日置くん、見つめちゃってるんだろうな(笑)。はい、かく言うワタシも見入ってしまいました。
 オールディーズを彷佛とさせる黄金のポップロックのコード進行を支えるのはIKUNOのベースラインだ。購入したてのレッド・メタリックのフェンダーが、いい音してる。忘れちゃいけないのは、彼女のコーラスワーク。noodlesのサウンドは、本当にウェルメイドだ。「当時いたレーベルのイベントでLOFTに初めて出たんだけど、女の子しか入れないイベントで、私、スカートでライヴをやった。気持ち悪かったなあ。後にも先にも、それ一回だけ。ヤな思い出。あ、ヤじゃないけど(笑)」というYOKOのMCを挟んで、ラストはキーがFのnoodlesポップ「The balloon is above my head」で締めくくった。
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 サブステージのほうも盛り上がっている。クリープハイプが終わり際に、「次は“サブステージ”で楽しんでくれ」と叫ぶ。あははは、いい根性してる発言だ。久々のライヴとなるSNAIL RAMPだけに、オープニングのSEが流れると、フロアがざわめく。期待にたがわず、一発目「777」からぶっ飛ばすビート全開だ。TAKEMURAのベースはもちろん、ISHIMARUのドラムとTORUのギターが織りなすリズムには鍛え抜かれた弾力がある。一つ一つの音が綺麗に聴こえながら、文字通りの音圧がロフトを揺らす。重量感とスピード感という一見矛盾する要素の両方を備えているのが、SNAIL RAMPのSNAIL RAMPたる理由だ。そしてさらに驚きなのが、そうしたサウンドから悠然と抜け出して軽々とリスナーに届くTAKEMURAの声だ。そんな魅力が最大限に楽しめたのは「CHOCOSHAKE」だった。ブレイクを多用してスリル満点の展開は、まさにオンリーワン。あっという間にオーディエンスの耳を釘付けにした。
 「あ~、久しぶりのライヴだから、かなりやりづらい」とTAKEMURA。いきなりのボヤキに、会場から笑いが起こる。「あ、オレの心の声だから気にしないで。いやー、しかし、こっちがサブステージとは知らなかった(笑)」。コワい先輩のジョークに、会場は爆笑の渦になる。ここからが凄かった。マキシマムに速くてうるさい「ALMIGHTY FIVE MONKEYS」は、だから楽しい。竹村がジャンプしてベースを弾く「PASSING」は、シブいシャウトが聴きもの。ラストの「MIND YOUR STEP!」まで一気に突っ走ったのだった。
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 さて、いよいよトリは3日後に渡米を控えたつしまみれの登場だ。今、ノリにノってる女性3ピース。油断もスキもないステージングで、イベントでも“敵なし”状態。今回も日本としばしの別れということで、トリを買って出てくれた。
 「みんな、最後までいてくれてありがとう。アメリカ・ツアー前の最後のライヴなので私達も楽しんでやるから、楽しんでって」とヴォーカル&ギターのまりがひと声上げて、ベースのやよいとのアカペラ・デュエットで「エアコンのリモコン」が始まった。みずえのドラムもどっかんどっかん爆発している。パワーがありながら丁寧な演奏は、貫禄すら感じさせる。いいライヴが期待できそうだ。シリアスなリリックをまりが歌い上げれば、やよいはファルセットをうまく使って幻想的なムードをそこに付け加える。音のギザギザした部分とツルツルした部分の使い分けが、とても効果的だ。うっとり聴いていると、まりがモニター・スピーカーに足をかけて、あら、パンツ丸見えじゃん(笑/ショートパンツだけどね)。これがつしまみれのダイナミクスなのだ。カッコいい!!
 「アメリカ・ツアーに行ってきます。さらにパワーアップして帰ってくるからね。で、奇跡のタイアップが決まりました! カートゥーンネットワークのアニメ『パワーパフガールズ』のテーマソング。アングラ界のアイドルだったつしまみれが、こんな可愛らしい女の子とタッグが組めるなんて、奇跡でしょ。幼稚園児3人と私達で、世界を救うぞ~。みなさんだけに披露します」と、出来たてホヤホヤの「Hyper Sweet Power」と「敵のテーマ」を世界に先がけて歌ってくれた。アンコールではファンが寄せ書きした“日の丸”フラッグをメンバーにプレゼント。ちょっと目がうるんだつしまみれが、見事に素敵なトリを飾ってくれたのだった。

 第一回目からどんどん大きくなっていく「LIVESTAR's FES」、“ライヴにこそ真実がある!”というキーワード通り、実際にライヴを堪能し続けていきたいと思える良質なイベントは久々ではないだろうか。今後も目が離せない。
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 ●取材・文/平山雄一(メインステージ)・磯山みゆき(サブステージ)、撮影:川合 泉
by ex_musicmall | 2010-12-07 01:26 | ライヴレポート
LISTEN UP〈2008/08/13掲載〉
2008/07/21@稲毛K'S DREAM
【“blue blue Planet”リリースイベント LISTEN UP Presents】


祝福ムードに包まれた、ホームグラウンドでのレコ発自主企画イベント

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 多くの海にて海開きが行なわれていたであろう「海の日」の7月21日。千葉県の有名な海水浴スポットの一つでもある、この稲毛にあるライヴハウス「K’S DREAM」では、7月9日に待望の新作ミニ・アルバム『blue blue Planet』をリリースしたばかりのLISTEN UP主催のレコ発イベントが行なわれていた。

 今回で6回目となるこの自主企画イベント。じつは朋友バンドの真空ホロウとの交歓イベントも兼ねており、LISTEN UPにとってもホームグラウンドのようなこのK’S DREAMはその晩、祝福ムードに包まれていた。
そんなこの晩のイベントのラストを飾るべく21時40分頃。スクリーン代わりにPVが流れていた幕が上がり、戦隊ヒーロー的なポーズを取るLISTEN UPの4人のメンバーの姿が現われる。多少の苦笑が混じりながらも歓迎ムードの中、メンバー各人楽器を持ち、再びドラムの前に集結。円陣を組み、気合いを入れると同時にライヴがスタートした。

 女性ドラマーである八尋絵美のタイトなドラムとドライヴィング感溢れる津久井佳之のベース。サビのキャッチーな連呼する部分ではお客さんも楽しそうに合わせて歌っていた1曲目「アイオブミー」からステージ&フロアに一体感が生まれる。ドラムがリズムキープする中、ギターの坂口剛が大仏のお面をかぶり、ヴォーカルのMCに合わせコミカルなダンス。それを苦笑し、見流すように、2曲目の新曲のサマーソング「morning shimmer」に突入。まるで自転車を漕いでいた暑い夏の日を思い起こさせるこの楽曲。途中の16分になるところでは、盛り上がり&高揚感もバッチリで、曲全体で高揚感や爽快感を醸し出しつつ、アウトロでは開放感を味合わせてくれた。
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 ギターのディレイの残響音が残る中、3曲目にはまるで傍らにいて歌いかけられているかのようなナンバー「グロウプ」が飛び出す。中間部の一度ドラム落ちになり、再度楽器が加わり、色付いていくアレンジには関心させられた。それにしてもヴォーカル&ギターの古澤正弘は、まるで何かをオーディエンスに伝えるのが、言葉でも足りないように、もどかしさを含んだジェスチャーを交え、歌を声はおろか全身を使って伝えてくれる。その姿勢が、なんとなく歌や演奏だけでは伝え切れない、何か特別な感情や思い入れまでも含み、それがより楽曲の真意や想いを伝える効果を生んでいた。

 4曲目は今までの楽曲や会場の雰囲気をガラッと変えるかように、怒濤で勢いのあるナンバー「パストラベル」に突入。「もう~なんて言わないで」と歌われる歌に、夏の持つ刹那感が重なり合う。サビのストレートになるところでは気持ち良さも倍増。お客さんも自然と手を上げて呼応していた。

 ここまでほぼノンストップで来た彼らにしばしのチューニング・タイムがやって来る。静けさの中、次の曲につなげるシットリとしたMCの後、5曲目のミディアム・バラード「一人の夜と、君の声」に入っていく。まるで星空とつながっているような気持ちになり、愛しい人の声が急に聞きたくなる胸を締めつけるミディアム・バラードだ。しっとりと始まりながらも、ラストに向かうに連れ、壮大にジワジワと広がっていく、まるで主人公の心模様を描いたような歌と演奏に会場中が聴き入っていた。

 ここでMC。本日は奇しくもベース津久井の誕生日。メンバーから本日共演したバンドのメンバーやお客さんからの寄書きがステージ上で贈呈される。感激する津久井。LISTEN UPに対しての今までと今後の意気込みを感謝の意も含め語ってくれた。そして、再びLISTEN UPの世界観にグイッと引き戻すかのように本編ラストの「KOI」が始まる。<世界がみんな嫌っても自分だけはずっと好きでいるよ>と歌われるこの歌に、"そう、大丈夫なんだ!!"と心押された人も多かったことだろう。楽曲が終わった時には、開放的でブライトな気持ちとちょっぴりの勇気をもらった感じがしたのはきっと僕だけではないだろう。
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 そして、アンコール。ブレイヴ感のある明るいギターカッティングが響き渡ると同時に、それに合わせ会場中から自然と手拍子が沸き起こる。正真正銘のラストは「coco」だ。明るく勇気の湧いてくるナンバーに、ラストはお客さんもハミング部分を大合唱。まさにハッピーエンドな気持ちにさせられた。

 僕の住んでいる街からは一都二県をまたにかけ、往復4時間をかけて観に行ったこの晩のライヴ。にも関わらず、その距離もアッと言う間に感じたのは、行きのワクワク感と、観終わった帰りの満ち足りた気持ちがあったからに違いない。

●取材・文/池田スカオ和宏、撮影:大和田啓一

⇒LISTEN UP オフィシャルサイト
⇒LISTEN UP シングル『LOVE BOAT』インタビュー
by ex_musicmall | 2010-12-05 00:42 | ライヴレポート
noodles〈2008/08/06掲載〉
2008/07/14@下北沢CLUB Que
【CLUB Que 夏ノ陣 2008 RETURN TO NATURAL VS SERIES】


観客を“拒まない空気”がライヴの一帯感を生む

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 日本、海外を問わず、独自のスタンスで活動するガールス・ギターバンド“noodles”。UNDER THE COUNTERとの2マンで行なわれた今回のライヴ。会場のCLUB Queには、音楽を、そしてバンドを楽しもうという雰囲気が流れていた。

 対バンのUNDER THE COUNTERの元気のいい演奏が終わると、noodlesのメンバーは、まるでそこにいることが当たり前のように現われ、演奏を始める。愛器のフェンダー・サイクロンをかき鳴らし、少し鼻にかかる印象的な声で歌うヴォーカル&ギターのyoko。傍目には女性なのだが、ギターソロなどで、真剣にギターと格闘する男の子っぽい姿には時折、ドキっとさせられる。シンプルながら力強いayumiのドラムに、グイグイと引き込んでいくikunoの歪んだベース。ライヴハウスに彼女達の心地よいグルーヴが流れていく。

 会場のノリは、微妙というか絶妙な脱力感。進んでノッていくというよりは、音楽に身を任せて漂っている感じとでもいおうか? バンドと観客の空気も、自分の部屋でバンドが演奏、またはリハーサル・スタジオにオーディエンスが紛れ込んでしまったくらいの、フレンドリーな雰囲気だ。実際の距離よりも、彼女達の観客を“拒まない空気”がライヴの一帯感を生んでいるのかもしれない。
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 noodlesは正直、“上手いバンド”ではない。だが、彼女達は、そのヘタウマ感も含めて完成されているバンドで、評価するのに“テクニックがどうの”とか、”グルーヴがどうの……”なんてことを口にするのさえ、野暮な話だ。逆にどんなに上手いアーティストも、どんなに演奏力のあるバンドも、彼女達の生み出す“ユル・カッコよさ”を生み出すことはできないだろう。ある意味、我々日本人は音楽やロックに対して、上手さやストイックさを求めてしまうきらいがあるが、本来ロックや音楽なんてモノは楽しむためにあるもので、気持ち良ければそれでいいのである、その辺りのさじ加減を上手くわかっている彼女達が、ロックの本場・アメリカで評価されるのもうなずける話だ。

 いつまでも変わらないであろうnoodlesのロック。熱すぎるサウンドやシリアス過ぎるロックに疲れた時には、ぜひ聴きたいバンドの一つだ。

●取材・文/西沢八月、撮影:川合 泉

⇒noodles オフィシャルサイト
⇒noodles ミニ・アルバム『SNAP』インタビュー
by ex_musicmall | 2010-12-05 00:31 | ライヴレポート
竹内電気〈2008/09/01掲載〉
2008/08/11@下北沢CLUB Que
竹内電気【switch.pop.breaker】


ポップソングを単なるポップなメソッドで伝えない
彼ららしさが垣間見えたライヴ


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 事務所から本日のライヴ会場へと向かう電車の中。普段なら帰宅ラッシュ時で超満員なこの時間の小田急線なのだが、今日はちょっとしたゆとりがある。そんな光景に"ああ、世間はお盆なんだな……"なんて実感するも、"もしや今夜のライヴもお盆なのでガラガラなのでは……"などと考えながら、本日のライヴ会場のQueの中に入る。しかし、やはりここだけはお盆知らず。電車での余裕が嘘のように超満員であった。

 今日は名古屋を中心に活動を行なっている5人組のポップス・バンド、竹内電気を観に来たのだ。前出のバンドのCABLLETSのプレイが終わり、まだその熱が残っているステージ上にキーボード他がセットされ、機材で賑やかになっていく。そんな光景を眺めながら待つことしばし。ファンキーで爽やかな山下達郎の「SPARKLE」のSEに乗ってメンバーがステージに登場する。その爽やかなSEとリンク、いや相反するように、上手(かみて)ギターの斉藤が髪止めを外し、セクシーに髪をかきあげる。「キモい」と「可愛い」の声が同じぐらい、苦笑の混じり合う客席からステージの斉藤目掛けて飛んでくる。

 ウィンドシンセ風のメロウなイントロと、ファルセットなコーラス、夏を感じさせる、彼らにはちょっと似合わない(失礼!)部分と、ドライヴ感とダイナミックさのある「summer time」から、この日のライヴはスタート。進むに連れ、曲の感情に身を任せるように、リードギターの竹内サティフォと斉藤によるツインギターとベースの加藤の前列3人が激しく体を動かしながらプレイ。それを観た僕の前にいた女の子達は、作品の印象以上の動きだったのか? 何度も「暴れるねぇ」「このバンド暴れるねぇ」と嬉しそうに連呼。そう、彼らは、その作品からはちょっと想像しづらいが、けっこうアクションの激しいバンドなのだ。そして、この曲では、間奏部分にてリードギターの竹内によるライトハンド奏法も冴える冴える。
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 続いて2曲目はドラムのビートに合わせての手拍子の後、サビの部分の上昇感と開放感が印象的な「Hello Mr.Regret」に突入。そして、ここでも待ってましたとばかりに、メロウなギターソロを見せる竹内。そう、このバンドの魅力の一つに竹内のギターソロがあり、それは彼らの曲のほとんどに入っていたりする。そんな彼のギタープレイは、この後も曲ごとに存分に披露されていく。そして、3曲目は顔に似合わず(度々失礼!)、サイドギター&コーラス、時々ヴォーカルをとる斉藤が、甘く切なく歌う頭から入り、途中からのガツンとしたバンド・サウンドへのシフトチェンジがゾクッとさせる「nice to meet you」。Aメロでは、ベースラインとドラムといった音数の少なさから入るも、だんだんと音が加わり、サビではガツンとくる曲構成と、Bメロからはヴォーカルが斉藤からキーボード&ヴォーカルの山下にスイッチするといったバリエーションを楽しませ、併せて楽曲のドラマ性をより味合わせてくれた。

 そして4曲目。ベースのイントロが始まるやいなや歓声が上がる。そう、彼らの中でも人気の高いナンバー「RxIxSx」が飛び出したのだ。アーバン性とソフィスケイトさが中心にある同曲。そんな中、これまでタイトでスムーズなドラムを叩き出していたドラマーの苅谷が、歌詞の表わす感情の起伏や気持ちの揺れ動きを演奏面でも演出するかのように突如暴発性を交えて叩き出す。そして、それを経ることで、通常メロに戻った時により優しさやポップさが際立ったのだった。ポップソングを単なるポップなメソッドで伝えない彼ららしさも垣間見れる一瞬であった。

 そして、BOOWYのような歌謡ロック的な歌詞とアッパーさが魅力の「beat」が飛び出すと、ステージの色も変化する。今までのミッドのテンポの楽曲からノリの良い楽曲の登場に吸い付いてくるオーディエンス。特にサビのストレートになるところではかなりの盛り上がりを見せ、間奏のツインギターによるカッティングで絡み合うところと、そこを抜け出しサビに向かう開放感には、みんな"たまらない!!"といった表情を浮かべていた。続いて斉藤のちょっと長めのMCの後は、6曲目に8月20日に発売するニュー・シングル「milk tea」を一足先に披露。2本のギターとキーボードが切なく絡むイントロ。一瞬段々と音量も下がり、元に戻った際にガツンとくることを狙ったアレンジも秀逸。晩夏のこの時期にぴったりであったことも付け加えておこう。そして、ラストは明るくポップ、次へしっかりとバトンを渡すかのようなナンバー「Baby,I love you.」をプレイ。間の斉藤による甘い独白的な部分は賛否両論かもしれないが(笑)、ラストに向かって広がっていくワイドさが印象的なこの曲では、けっきょく最後はみんなを幸せな顔にさせたのが印象的だった。

 見かけ以上に爽やかで若者的(笑)な彼ら。僕の前で観ていた女の子達は、彼らのステージを初めて観て、果たしてどんな印象を持ったのだろう。彼らのライヴが終わってからしばらくは、嬉しそうに何か色々と話していたところをみると、かなり気に入ったように見受けられた。
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 ●取材・文/池田スカオ和宏、撮影:JOHN.C. B

⇒竹内電気 オフィシャルサイト
⇒竹内電気 アルバム『PLAY』インタビュー
⇒竹内電気 【「SHY!!」release tour -KONJOH-】ライヴレポート
by ex_musicmall | 2010-12-05 00:21 | ライヴレポート
つしまみれ〈2008/07/30掲載〉
2008/07/8@代官山UNIT
【つしまみれとロックとビアで】


ロックへの愛情を感じた一夜

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 SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)への参加や数回に渡るアメリカ・ツアーにより、もしかしたら日本よりもアメリカでの評価が高い?ガールズ3ピース・バンド“つしまみれ”。そんな彼女達が5月にリリースしたミニ・アルバム『つしまみれとロックとビアで』を引っさげて、代官山UNITでツアーファイナルを行なった。片岡大志をプロデューサーに迎えたポップな3曲と、斉藤匡崇をエンジニアに迎えた凶暴な4曲が同じ盤に収まってしまうという乱暴なアルバムが、どのようにライヴで消化されるのか非常に楽しみなところだ。

 サイケな雰囲気を持つ「新しい世界の夜明けはとりあえずROCKとBEERで」でライヴはスタート。まずは満員の会場の緊張をほぐすとでも言わんばかりに、ゆらゆらとした空間へ引き込んでいく。そして、「とても下品でうるさい曲をやります」という、まり(Vo.&G.)のMCの後に演奏された「良いテンポです。」、「アメリカのハンバーガー」では、空気が一転、モッシュができるほどの激しい演奏をぶつけていく。かと思えば、「エアコンのリモコン」のような、ポップでキャッチーなナンバーもさらりとこなしてしまう彼女達。新曲のまったりとした「いそぎんちゃくひともんちゃく」、しっとりとした「ママのうた」で奥の深いところを見せつける。まりはギタリストとしてはお世辞にも上手いタイプではないのだが、愛用のブルーのフェンダー・ジャガーを抱え、時には凶暴なトーンで、また時にはスウィートなアルペジオを抱きしめるように大切に弾く姿が印象的だった。
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 ステージに桜をイメージした絵や花札調のパネルなどが並べられ、いやがおうにも気分が盛り上がった中で演奏された「さくらんボーイ」では紙吹雪が舞い、フロアは爆獣暴動、モッシュの嵐。続いて「海老原眞治」「おじいちゃんのおズボン」「パンクさん」と、まさに怒涛の楽曲の波状攻撃だ。そして「脳みそショートケーキ」では、まりが客席ヘダイヴ!! やよい(B.)とみずえ(Dr.)の強力なリズムの上で自由奔放にギターをかき鳴らし、叫び、感情のままをぶつけていく、まり。3ピースという最小限の編成ながら、それぞれのメンバーの主張と自信に満ちたパフォーマンスがグイグイと観客を楽曲に引き込んでいった。

 多種多様な音楽性を飲み込む雑食性と、それを強引なまでに自分達のものにしてしまう懐の深さ、そして、できるのにもかかわらず、安易にキャッチーな路線へはいかないところに彼女達のロックへの愛情を感じた一夜だった。
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 ●取材・文/西沢八月

⇒つしまみれ オフィシャルサイト
⇒つしまみれ ミニ・アルバム『Six Mix Girls』インタビュー
by ex_musicmall | 2010-12-04 23:22 | ライヴレポート
さかいゆう〈2008/07/30掲載〉
2008/07/12@渋谷PLUG
さかいゆう【What's goin' on vol.8】


ウォーミーでソウルフル、それでいてスウィート

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 東京の気温が今年最高を記録した7月12日。その気温さえ軽く超えてしまうぐらい熱いライヴが、渋谷はPLUGにて行なわれた。アクトは「さかいゆう」。ウォーミーでソウルフル、それでいてスウィートなヴォーカルが魅力のアーティストだ。今回のライヴは、彼の主催するシリーズ・ライヴ【What's goin' on】。ワンマンだったり、気に入ったバンドを呼んだりと、今回で開催するのは8回目。この日はワンマンライヴであった。

 満員のフロア。みんなの体温や期待値でライヴハウス内の気温も上昇。じっとしているだけでも汗がジトッとしてくる。じつは彼の作品を聴いたことはあったのだが、実際のライヴを観るのは今回が初めて。彼の大人を感じさせる音楽性から想像していた客層よりも多少若い人が多いことに少々驚く。

 クラブジャズ系のBGMが流れる中、待つことしばし。ドラム、ベース、キーボード、ギター、女性コーラス二人が順に現われる。BGMがフェードアウトしていき、代わりにフェードインしてくる登場したバンドによるファンキーなビートに乗せ、手拍子が沸き起こる中、さかいが登場。ウォーミングアップに、コール&レスポンスで会場を温め、そのまま1曲目のミディアムでムーディ&メローなナンバー「Midnight U...」に突入。最後の夜の刹那感を、甘さと切なさを交え上手く描写しているこのナンバーは、長めのギターソロが心に秘めた高揚感を煽るように響く。リリックの<君に甘えられるのも少しだけ2>なるフレーズも、今宵は<PLUGに甘えられるのもあと少しだけ>と変更して歌い、かけがえのないこの夜を1曲目からバッチリと演出してくれた。

 そして間髪入れず、ハンズクラップの中、2曲目の「よくばりホリデイ」に続く。ピアノの音色も間奏にグッと来、ブルージーなギターソロが心を焦がすこのナンバー。ピアノとヴォーカルだけになり、その後、再び楽器が入り、さらなる盛り上がりを見せるところはライヴならではのアレンジだ。ここで「熱いけど、汗で一緒にビチョビチョになりましょう」の軽いMCの後、ストリングスの音色と躍動感溢れるビート。そして、「俺は生きている」の生命力溢れるメッセージ、叙情性と上昇加減が上手くブレンドされたナンバー「Dreaming」を披露した。
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 ここで再びMCに入り、その後、女性コーラスとさかいの歌をイントロデュースに「ワビサビSOUL」~マーヴィン・ゲイの「I want you」をメドレーでプレイ。哀愁と感情移入たっぷりにカヴァーされ、さかいの甘くもポップス性を有した歌が上手くマッチ。原曲より体温を10度は上げてくれた。そして、その体温をいきなり人肌まで戻すように、久しくライヴで演っていなかったという「恋日和」をプレイ。しっとりと、まるで何かを取り戻すかのように歌われる歌に、主人公のだんだんと溢れだしていく感情を重ね合わさせる楽曲だ。

 続いて、例え死のうと思った時があっても、ギリギリでスイッチを押さないように、自分に言い聞かせるように作り、歌ったという「無言の月」が披露される。あまり良い日ばかりじゃないけど、それらも含め丸ごと愛している自分を愛しく思えてくる楽曲に、その晩来ていた多くの人が、最後は希望の光に包まれたに違いない。途中には、彼のとっさのアドリブなのだろう、フィッシュマンズの「ナイトクルージング」の1フレーズを盛り込んでいたのも印象的だった。

 ここでメンバー全員一度ステージからはけ、さかい一人が残り、弾き語りで昨晩できたばかりだという、彼の故郷である土佐清水の想い出や父親のことを歌った、新曲「ふるさと2008(仮タイトル)」を披露。今や、さかいの胸の中にしかない想い出を、強弱をつけたメロディアスなピアノに乗せて歌われたこの曲は、今でも、いや、今だからこそよけいに強く感じる故郷や両親への愛を感じさせた。

 曲が終わり、観客各々が自分自分の故郷や両親への想いを馳せている中、再びさかいのピアノのイントロデュースに乗り、メンバーが一人ひとりステージに戻って軽いセッションが始まる。そしてそこからスティーヴィー・ワンダーの「Until you come back to me」のカヴァーに突入。二人の女性ヴォーカルがパワフルかつソウルフルにリレーション式に歌い、そこにさかいが歌を引き継ぐ。各メンバーのソロ回しを間に加え、コミカルなコール&レスポンスのあとは、お金が無いことのジレンマを歌った、盛り上がりナンバー「MoneyCrush」になだれ込んだ。
さかいゆう〈2008/07/30掲載〉_e0197970_20324586.jpg
 そして、本編ラストは、P-ファンクやワシントンGO-GOを思わせる、ここまでこの日守ってきた、ムーディさや甘い雰囲気を一気にブチ壊す(良い意味で)かのように、新曲「ケセラセLife」に怒濤の突入。まさに“炎上”という感じで、ヴォーカルというより、アジテートに近い、さかいの歌。やぶれかぶれと暴発感がたまらない。いやー、聴き終わった後にはかなりスッキリした(笑)。

 アンコールで戻ってきた彼が歌ったのは、山下達郎のナンバー「蒼茫」のカバー。さかいの弾き語りの歌い出しと、2番ではバックも入るスタイルで披露された同曲は、ジワジワとやってくる歓喜もひとしお。ラストのハミングする箇所では、会場中が大合唱。もちろん僕も歌った。そして、今日一日の自分の歌を支えてくれたことへの感謝も込め、もう一度メンバー紹介。正真正銘のラストは、ノリの良い、アッパー性も持ち合わせたミッドナイト性とアーバン性、そしてスウィートさがたまらない「SHIBUYA NIGHT」。作品同様、ギターの竹内のラップも絡み、ラストに向かうに連れ、ますますのヒートアップを見せてくれた。

 まさに演る方も観る方も汗びっしょりの約2時間。帰りの電車の中まで身体が火照りっぱなしだったのは、ライヴハウス内の熱さだけではなかったのだろうと、帰りの電車で思い返していた。

●取材・文/池田スカオ和宏、撮影:川合 泉

⇒さかいゆう オフィシャルサイト
⇒さかいゆう メジャー・デビュー・シングル『ストーリー』インタビュー
⇒さかいゆう 2ndシングル『まなざし☆デイドリーム』インタビュー
by ex_musicmall | 2010-12-03 20:35 | ライヴレポート


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