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2.黒い太陽
3.タイニー・パンク
4.欲望
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<Podcastインタビュー>
平山雄一の「ライヴハウス虎の穴」

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SABOTEN&SHACHI〈2008/07/02掲載〉
2008/06/20@新宿ACB
SABOTEN&SHACHI【AFRICAN MARTENS】


油断できないSABOTEN&徹底的にポップなSHACHIのステージ

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 5月にリリースしたスプリット・アルバム『AFRICAN MARTENS』のセールスも好調な2バンド、SABOTENとSHACHIが新宿ACBで対バン・イベントを敢行した。焦点の絞られているイベントらしく、開演を待つオーディエンスにもブレがない。足まわりも汗まわりもしっかり固めたボーイズ&ガールズがまさに“ソールドアウト”状態でフロアを埋めつくしている。スプリットが好セールスということは、どちらかのバンドが好きで、最近どっちも好きになったファンばっかりということだ。わいわいガヤガヤ、会場はいい雰囲気だ。

 まず、SABOTENのヤッソ-(B.&Vo.)が現われて「こんばんは!」とひと言。続いてサケ(Dr.)が立ったまま、シンバルを一撃。客席から「イェーイ」と歓声が上がる。すかさずキヨシ(G.&Vo.)が出て来て、いきなり「YELLOW RIOT」が始まった。おなじみのナンバーに、SABOTENファンは盛り上がる。が、しかし、もしこの時初めてSABOTENを観る人がいたら、演奏のタイトさに驚くことだろう。特に速い2ビートの安定したスピード感が、このバンドの最大の武器だ。
 
 「狭いけどね、走ることできますか? できますか?」とキヨシはアオりながら、彼にしか弾けない超速いギター・イントロを繰り出す。「行くぜ!マルゲリータ☆」だ。終わると、自分であれだけアオッておきながら「あー、しんどい」とキヨシ。これには場内爆笑。「気分悪くなるくらい遊んで帰りましょう!」と意味不明のMCにも爆笑だ。

 SABOTENの持ち味は、純粋に音楽を愛する気持ちをもって演奏しながらも、MCがちょっとひねくれているところ。油断できないのだ。たとえばキヨシは「オレ達は性格悪いんで……次は本当の愛を歌うぜ」と言って、『AFRICAN MARTENS』収録の「LOVE SONG」を歌い出す。もう一つ、たとえばサケが「今日はゆっくりやりましょう」と言った直後に、「みんなの感性に土足で入り込むんでよろしく」。訳が分からんけど、何かそこにはオーディエンスと繋がろうという意識が不思議な形で見え隠れする。
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 5曲目「NO RAIN NO RAINBOW」はスプリット盤でSHACHIがカバーしていて、たぶん今日この後やることになっているのだが、キヨシは「はは、先にやっちゃいました。嫌がらせですね、これは」。演奏はとにかく見事だ。中でもサケのドラムはどんなに速いテンポでも確実にキヨシの歌をフォローし、ヤッソーのシンプルなベースと噛み合って迫力ある音圧を生み出す。2ビートも8ビートもブギーも、自由自在。ファンはニコニコして一緒に歌い出す。やはり圧巻は2ビート。「ACB史上最速です!」と気合いを入れて始めた「ウッヂー ザ サスペンダー」は、キヨシの言葉どおり目にも止まらぬ速さだった。

 「7月リリースのニュー・アルバム『SABOTEN ROCK』から、暗い歌を聴いてもらいます」と新曲「レジスタンス」をぶちかます。終わった後、「大丈夫かいな。みんな着いてきてる?」。上げたり下げたり、まさに精神のマッサージのよう。ラストは「狭いけど最高の円を描きませんか? 回れますか? 回れ! 回れ!」と「サークルコースター」。ド迫力のスピード・チューンで最後までフルスピードで駆け抜けたのだった。

 ほっとしてはいられない。少し水を飲んだら、もうSHACHIの登場だ。これまた元気な3ピース・バンド。先にhankn(Dr.)と HIDETA(B.&Vo.)がステージに上がり、サングラスのTAKE(G.&Vo.)が加わると大歓声が巻き起こった。オープニングは先ほどSABOTENがカバーした「BREAK OUT」だ。TAKEのリードヴォーカルに客席からハンドクラップが起こる。続いて『AFRICAN MARTENS』収録の新曲「FORWARD」。これはHIDETAがリードヴォーカルを取る。二人のヴォーカルがイーヴンにリードを取るのが SHACHIの武器。少し歪んだハイトーンのTAKEと、スウィートなHIDETAの声の対照が面白い。SHACHIのスプリット・ライヴらしいスタートに、ACBのフロアはストレートに盛り上がった。
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  「AFRICAN MARTENSイベント、3本目にして初めてトリを取ります。レコ発ライヴ、やりたかったパーティです」とTAKEが嬉しそうに叫ぶ。徹底的にポップなメロディと分かりやすいリリックが、ACBを熱くしていく。アップテンポもミディアムも楽しくしているのは、HIDETAのベースだ。あらゆるラインがメロディアスで楽しませてくれる。

 TAKEがしゃべり出す。「今日、そこにイギリス人が二人来てる。この前、ライヴで会ったんだけど、オレ達のバンドの話をしたら共感してくれた。日本に2ヵ月遊びに来ていて、マンガ喫茶に泊まってるんだって。友達になりたがってる。プラスアルファして楽しんで行きましょう」。受けてhanknが「7月2日に2ndアルバムが発売になります。次はその中からの曲ですよ」と新曲「DIVE」が始まった。ぴょんぴょん飛び跳ねたくなるリズムで、ふと見ればイギリス人達も跳ねていた。続く「NO RAIN NO RAINBOW」は先ほどSABOTENが“嫌がらせ”で演奏しちゃったカバー曲。HIDETAのリードとTAKEのハモを活かしたアレンジでじっくり聴かせてくれた。
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 とにかく次から次へと曲を進めていく。「今日は自分も笑いに来たので、最後までよろしく」とTAKEが言うと、HIDETAが「こないだ名古屋でワンマンやったんだけど、やっぱり今日みたいに友達のバンドとライヴするのは楽しいな」。そんなバンドの気分が会場に伝わって、ますますACBにファミリアーな熱気が広がっていく。HIDETAが「楽しい時間はあっという間」、TAKEが「これからも、AFRICAN MARTENS続けていきます!」と言って始まった「祈りウタ」は曲も歌も演奏も素晴らしかった。

 アンコールの「NEVER MIND」の後、hanknが楽屋で食べていたバナナの残りをオーディエンスに配って【AFRICAN MARTENS】が終わった。その熱くてほのぼのしたラストシーンが、この夜のイベントを象徴しているようだった。
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 ●取材・文/平山雄一、撮影:MAIMI KANEDA

⇒SABOTEN オフィシャルサイト
⇒SHACHI オフィシャルサイト
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by ex_musicmall | 2010-11-30 01:21 | ライヴレポート
BUGY CRAXONE〈2008/07/09掲載〉
2008/06/15@新宿LOFT
BUGY CRAXONE【Hello, Punk Lovers tour】


創造と破壊を同時につかさどるパンク・ゴッデス

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 今もっとも熱いライヴをやっているバンドの一つはBUGY CRAXONEだと断言できる。メンバーは、鈴木由紀子(Vo.&G.)、笈川司(G.)、旭司(B.)、モンチ(Dr.)の4人。1997年に札幌で結成され、 1999年にメジャー・デビュー。2003年からは自らのレーベル&マネージメント「ZubRockA RECORDS」を立ち上げて活動。昨年には怒髪天の増子直純が主宰する新レーベル「Northern Blossom Records」に移籍して、今年2月に第一弾アルバム『Good morning, Punk Lovers』をリリースした。その直前にShibuya O-EASTで観たライヴは、バンドが完全に息を吹き返したことを告げる感動的なものだった。また、“Punk Lovers”という言葉が、やけに新鮮に胸に響いたのを憶えている。

 その後、彼らはアルバムを引っさげたツアーに出た。その余波がまだ収まらないうちに、ニュー・アルバム『Hello, Punk Lovers』をリリースするというニュースが流れ、軽いショックを覚えた。またしても“Punk Lovers”だ。10年のキャリアを重ねた上で、あえて二度もそう呼びかけるのはなぜだ?! ただ、BUGY CRAXONEの迷いのないライヴを観ていると、その言葉に胸が高鳴るいっぽうなのだ。

 今回は、『Hello, Punk Lovers』リリース直後に行なわれた今年2回目のツアーの初日の模様を少し変則的なスタイルでレポートしたい。ライヴ中は非常に寡黙なバンドなので、ライヴ当日、リハーサルを終えたばかりの彼らに実施したインタビューをはさんで、好調なバンドの実態に迫りたいと思う。

 この日、最初に登場したのはNo Regret Lifeだった。次のRadio Carolineのライヴが終盤に差しかかっている。新宿LOFTは、すでにヒートアップしている。ステージから「最高だぜ、Punk Lovers!」とシャウトする声が聞こえてくる。男女半々のオーディエンスが、それに大声で応えている。バンドがBUGY CRAXONEに替わる。いきなり『Hello, Punk Lovers』からの曲「dreamer」だ。ギターをザクザク弾きながら歌う鈴木に、初めてこのバンドを観たと思われる観客は息を呑んでいる。しなやかな容姿からは想像もできないワイルドな歌いっぷり、弾きっぷり。ベースのリズム・バンプで、鈴木は右手を高々と上げた、まるで「Hello, Punk Lovers!」とでも呼びかけるように。
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 エキサイト:今年、立て続けにアルバムを2枚リリースするって、すごいエネルギーですね。
笈川:『Good morning, Punk Lovers』を出すにあたって、すでに『Hello, Punk Lovers』の構想があったので、すぐに次を作って出したいと思っていました。これまでずっと自分達で何もかもやってきたから、今回、Northern Blossom Recordsに移ることによって、今までより音楽にかける時間を増やせると思ったし、その勢いをそのまま録りたかったです。
鈴木:このバンドは、居心地のいい場所に落ち着くにはまだ早過ぎるかなと。確かに2枚作るのは大変だったけど、リスキーでもムチャなことをしたかったし、そうでないと、このバンドの意味がなくなる。このやり方をしばらく続けようと思っています。

 「dreamer」のエンディングで、鈴木は左手でギターのネックを握ったまま、身体を後ろにのけぞらせて「Come on!」と叫ぶ。笈川が「Oh yeah」のイントロのリフを弾き始める。それに鈴木のギターがかぶさって「Oh yeah!」とひと声。旭のリッケンバッカーが唸りを発する。鈴木は以前はうつむきがちに歌っていたが、今日はしっかりと前を向き、オーディエンスを見据えている。格段にヴォーカルとしてのアピール力が増している。曲のラストでは再びキンキーな(kinky:風変わりな、変態的な)リフを弾く。まるで馬にムチを入れるジョッキーのようだ。ギタリストとしても大いに魅力があり、カッコいい。

エキサイト:ギターを弾くのは楽しいですか?
鈴木:小6の時にギターを買ったんだけど、弾けなくてすぐにあきらめて、歌をやるようになったんです。でも、このバンドになって、ギターが2本必要になったので、またギターを始めました。私はリフを弾くのが好きだから、いいリフを作りたい。もちろん作ったリフは自分で弾きたい(笑)。
エキサイト:ヴォーカルに専念するためにもう一人ギターを入れるやり方もあると思うけど。
鈴木:ツインギターは重たい感じがする。二人いると、どうしてもどっちかがきちんとしたバッキングになると思うけど、BUGYにそれはいらないから。
エキサイト:笈川くんから見て、鈴木さんのギターはどうですか?
鈴木:ファンから「いいリフですね」って褒められて、「じつは作ったのはオレじゃないんだけど……」っていう時がありますよ(笑)。
鈴木:リフを分けてあげてる(笑)。

 3曲目「Why not?」が終わって、鈴木が叫ぶ。「Thank you! Hello! We are BUGY CRAXONE!!」。僕の後ろにいた女の子のオーディエンスが「うわ~、カッコいい!」と小声で言っているのが聞こえる。「How are you?」と曲紹介をして、4曲目に突入。モンチ得意のタイトな8ビートだ。続く「Good day」は前作『Good morning, Punk Lovers』からの曲。スリルにあふれたスピーディなレゲエで、笈川のギターがチャイムのようなリフを刻み、鈴木は切実なメッセージを歌う。
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 鈴木:『Good morning, Punk Lovers』は自分達の中にあるものを篩い(ふるい)にかけて出したけど、それ以外のバリエーションもそろそろいいかなと。今まで活動してきて、あえてしまっておいたものがあったけど、挑戦も含めて何も隠さずに出しました。
エキサイト:隠すものっていうと?
笈川:『Good morning, Punk Lovers』の「Good day」って曲でレゲエを取り入れて。今まではそういうことをすると、どうしても“借り物”になっちゃっていたけど、今回は自分達らしいレゲエになった。 BUGY CRAXONEのバランスにすることができて、それを確認できたことは、すごく自信になりましたね。

 「Come on」ではヘヴィなベースに乗ってAメロを淡々と歌っていた鈴木が、突然シャウトしながら壊れる。すごいスリルだ。「ベートーベンとチェルシー」は『Hello, Punk Lovers』からの意欲作で、リズムが目まぐるしく展開するポップチューン。ただし、まだ消化不足で、ツアーでの成長が楽しみな曲だ。同じく『Hello, Punk Lovers』からの「ロマンチスト」は、鈴木のヴォーカリストとしての著しい成長が表われていて、<人生は気の利いたジョークで>というリリックの内実が伝わってくる。これほどギターの似合う女性ロックヴォーカルは、日本にいない。

 「今日はみんな、来てくれてありがとう。アルバム『Hello, Punk Lovers』聴いてね。どの曲もひねくれ者ですけど、いい曲なので聴いてやってください。今後とも、ごひいきに」。すっきりしたMCに拍手が起きる。これまで鈴木は本当にステージ上では喋らなかったので、短いとはいえ、ある意味衝撃のMCだった。それだけバンドのコンディションがよく、自信もあるのだろう。

笈川:今年『Good morning, Punk Lovers』を出して、すごく手応えがあったんです。レコーディングした曲は2年間ライヴでやってきたから、すごく成長していたし。でも『Hello, Punk Lovers』の曲は、ほとんどライヴでやっていなくて、『Good morning, Punk Lovers』のツアー中にスタジオに入ってアレンジしながら、レコーディングして。今、この時期にそういうやり方ができないとダメだし、挑戦でもあった。で、やってみて、新鮮だった。『Hello, Punk Lovers』では、前回のツアーの勢いを活かせたと思うし、今回のツアーはこれからが楽しみ。やっている自分達がいちばんワクワクしています。

 ライヴも終盤。「WATCH YOUR STEP」は、モンチのバスドラ四つ打ちから始まる盛り上がりの定番曲だ。強烈なロック・リフの合間に、鈴木は左足を蹴り上げる。お行儀が悪くて、最高にカッコいい。彼女は“男まさり”ではない。創造と破壊を同時につかさどるパンク・ゴッデス(女神)だ。
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 エキサイト:世界一、パンクが好きなんですか?
鈴木:私はパンクスではなくて、ただジョー・ストラマーに憧れているんです。彼の生き方や精神が好きなの。勇敢で優しくて、そういう気持ちを音楽に求めている。だから、あえてこの時代にパンクという“スタイル”をやろうっていう感覚はないです。レーベルを移籍して心機一転やることになって、自分達の核となるところを持って“Punk Lovers”に挨拶をして回っている感じ。

 「DA・DA・DA」で会場を煽りまくる鈴木は、またしても左足キック。ラストナンバー「I scream」では、イントロでフロント3人がモニタースピーカーに上がる。鈴木がハンドクラップしながら「YAH HAH」と叫ぶ。その潔い姿に、LOFT中がヤラレテしまっている。旭はベースのネックをマシンガンのように構え、鈴木はハンドマイクでジャンプ。最後に「We are BUGY CRAXONE!」と叫んで消えた。

エキサイト:『Good morning, Punk Lovers』『Hello, Punk Lovers』と来たら、次は何?
鈴木:先のことは考えてないです(笑)。
笈川:でも、『Good-bye, Punk Lovers』はないですよ(笑)。

 アンコールは熱狂の中で「Northern Rock」。このツアーから一瞬も目が離せない。現在進行形のBUGY CRAXONEから目が離せない。

●取材・文/平山雄一、撮影:平沼久奈

⇒BUGY CRAXONE オフィシャルサイト
⇒BUGY CRAXONE 【Good morning Punk Lovers tour final BUGY CRAXONE presents“COUNTERBLOW 018”】ライヴレポート
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by ex_musicmall | 2010-11-24 23:51 | ライヴレポート
Qomolangma Tomato〈2008/04/30掲載〉
2008/04/11@下北沢SHELTER
Qomolangma Tomato
【『Limelight Blue on the Q.T.』レコ発ワンマン
~PUBLIC NOISE FADE OUT vol.4~】


「個性」を超越した変態ぶりは、ライヴでこそ本領を発揮する

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 Qomolangma Tomatoというバンド名を目にした瞬間から、妙な違和感を感じていた。それを「チョモランマトマト」と読むことも、それが意味することも、どこか腑に落ちない感覚。曲を耳にして、それはさらに加速。ライヴでは、それがどう表現されるのか、怖いもの見たさに近い感覚で会場の下北沢SHELTERに向かった。

 2nd アルバム『Limelight Blue On The Q.T.』のレコ発ワンマンということで、それでなくても狭い場内は、完全寿司詰め状態。真夏じゃなかったことだけが救いだ。定刻を10分ほど過ぎ暗転。ヴォーカル石井の「表現することを、そしてそれを聴くことを楽しみましょう。チョモランマトマト、始めます」という、淡々とした調子の挨拶でライヴはスタート。2ndアルバム収録の「距離を感じる」は、決して攻撃的な曲ではないが、それでも4人が真っ向から衝突することによって発する熱が伝わってくる。

 曲が進むごとにスピードをジワジワと上げ、歌はメロウから絶叫へ。小気味の良いベース、地を這うような重厚なドラム、変幻自在な切れ味を見せるギター、つかみどころのないメロディラインに乗せられた、鋭利かつリアルな言葉の数々。時に何の迷いもなく、不協和音を等身大以上の力で当ててくる彼ら。ドラマティックというよりは、「唐突」という方が正しいであろう、その起伏の激しい楽曲展開は、SHELTERの密室感も手伝い、場内の温度を豪快に上下させてゆく。
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 幾度となくステージに上がろうとして、自らをアピールするダイバーを、石井が全身で体当たりして客席に突き落とすというシーンがあった。バンドとしてのスタンスが、よく表われている光景に思えた。例え、それが自分達を愛する者だとしても、愛想を振りまくような態度は取らない。突き放すことこそがアイデンティティと言わんばかりに。ワンマンということで、ほぼ無理やりの2ndアンコール。「潔く帰りましょう」と、ここでまたオーディエンスを突き放す石井だが、その表情は言葉とは裏腹に、明らかに嬉しそうだった。

 一貫した「違和感」は、いつの間にか心地良さに変わっていた。その違和感が、彼らのサウンドが「変態」と評される理由だろう。「個性」を超越した変態ぶりは、ライヴでこそ本領を発揮する。正直な話、CDだけでは伝わらない。既存のワードで縛りつけるような形容はしたくない。それが可能なほど、陳腐なバンドでもない。そんなチョモランマトマトの存在が、ライヴが終わり数日経ち回想している今でも頭から離れない。
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 ●取材・文/金澤隆志

⇒Qomolangma Tomato オフィシャルサイト
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by ex_musicmall | 2010-11-23 20:44 | ライヴレポート
BUGY CRAXONE〈2008/04/23掲載〉
2008/03/27@下北沢SHELTER
BUGY CRAXONE
【Good morning Punk Lovers tour final BUGY CRAXONE presents“COUNTERBLOW 018”】


そろそろパンクでもいかかが?

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 BUGY CRAXONEのニュー・アルバム『Good morning,Punk Lovers』は、何ともカッコいいタイトルだ。“そろそろパンクでもいかかが?”ってな感じで、独特の世界観と時代観をさりげなくアピールしている。パンクがニューヨークとロンドンでシンクロして発生してすでに30年以上。その間、何度も波が来たことを承知の上で、BUGY CRAXONEはこのタイトルを選んだ。結成して間もなく11年。彼らはひたすらパンク・ストリートを疾走してきた。その一途さを心に秘めて、渾身のアルバムを制作。ついに【Good morning,Punk Lovers】ツアーのファイナルを迎えたのだった。また、ずっと続けてきた自主企画イベント【COUNTERBLOW】の18回目でもあった、この日のライヴ。対バンのBAZRAが終わってセット・チェンジの間、流れているBGMは札幌在住の3ピースバンド“Addiction”だ。「このイベントでは、いつも過去に出演してくれたバンドのCDがBGMでかかるのだ」と、スタッフの一人が教えてくれた。いーね、いーね。

 と、そのイカした音楽が突然カットアウトされて、BUGY CRAXONEの4人が登場。場内騒然となる。ギター&ヴォーカルの鈴木由紀子は「Good morning,Punk Lovers」と書かれたグレーのTシャツ姿。彼女が黒いムスタングを肩から掛けた瞬間、旭司が黒いリッケンバッカーのベースを弾き始めた。モンチのドラムがそこにかぶさる。僕はSHELTERのいちばん奥のトイレのドアの前にいるので、笈川司の姿がまったく見えない。だが、飛び出してきたギターの音は、この前 O-EASTで聴いたあのサウンドに間違いない。エッジ尖りまくりのライヴのスタートだ。
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 「COME ON」に続いて、アップテンポの「FAST」。タイトルどおり、バンドは早くも爆発的なスピードに乗っている。鈴木はギターを背に回して、<FAFARAFAFAFAFAFA>と歌いながら銃を撃つアクションだ。ヤバい、彼女、目がイッちゃってる。ちょうどSHELTERのシンボルの大時計の上あたりに釘付けされた視線。その目には、何が映っているのだろう。ギターを正面に戻して構えると、次の「Why not?」のイントロのリフを自分で弾き始める。オーディエンスも一緒に<Why not?>と叫ぶ。激しいドラムに拮抗してバンド・サウンドの核を作っているのは、笈川のギターだ。見えないから余計に耳が行く。終わって鈴木は、「Thank you!」とシャウト。その後、「Hello,TOKYO! Good morning,Punk Lovers!!」と短くMC。すぐに次の曲「How are you?」へ突っ込んでいく。バンド自体の持つ強さとしなやかさが鈴木に集約されて、言葉もビートもとても良く伝わってくる。フロントマンとはこういうものだ。あ、フロントウーマンか(笑)。でも、リリックでは<僕>と言ってるし、ま、どっちでもいい。とにかくシャープでカッコいい彼女。「Good day」ではよく動く唇で、叙事詩を叫んでいる。かと思えば、「グリンゲーブルス」ではミディアム・テンポでメロディアスな面も披露。

 「今日は久しぶりの【COUNTERBLOW】に来てくれて、ありがとう。BAZRAありがとう。旅、長かったけど、またここで出来て嬉しいです。6月に新しいアルバム出します。今度は『Hello, Punk Lovers』。レコ発はロフトでやります。最後まで楽しんでいこう!」。立て続けのリリースとライヴのインフォメーションに、フロアは大喜びだ。気が付けば、オーディエンスに女子が多い。そりゃそうだろう、みんな彼女に憧れる。

 ドラムから始まった「くたばれセンチメンタル」は、ベースが加わるとさらにグルーヴにドライブがかかる。こうなったら、もう止まらないBUGY CRAXONEだ。気持ちいい走り具合。間髪入れぬ曲つなぎもスリルを増幅する。「DA・DA・DA」はソリッドなパンクそのもの。ドンドン曲がシンプルになっていくセットリストが、バンドの充実度を表わしている。「I scream」で鈴木は初めてマイクを手に取って歌った。ライヴは一気にエンディングを迎えたのだった。アンコールは無し。ネクスト・ニューアルバム『Hello, Punk Lovers』を楽しみに待て!
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●取材・文/平山雄一、撮影:平沼久奈

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by ex_musicmall | 2010-11-23 20:32 | ライヴレポート
チャットモンチー〈2008/04/09掲載〉
2008/03/31@日本武道館
【チャットモンチー すごい2日間 in 日本武道館】


超スピードでの武道館登場に感慨もひとしお

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 演る方も観る方も緊張する【チャットモンチ- すごい2日間 in 日本武道館】の初日。デビュー当時から彼女達のライヴを観ていたから、超スピードでの武道館登場に感慨もひとしお。と同時に心配にもなる。ギタートリオという最小の編成で挑む姿を想像するだけでハラハラ&ワクワクしてしまう。桜が満開の千鳥ヶ淵を横目に、会場に入って着席。さらにハラハラし、登場を待っていると、突然会場が沸いた。なんとアリーナ後方からメンバーが入場してきたではないか。堂々と客席を通りながら、オーディエンス達とハイタッチなどをかましての登場。"何なんだ、この余裕は!?"。

 アリーナ中央の特設お立ち台に、こちらにお尻を向けて上がり、クルっと振り向いてポーズを決めるパフォーマンス。もちろん武道館は早くも騒然。さっと台から降り、メンバーはステージに駆け上がる。期待度120%のオープニングだ。サクサク所定の位置につくと、ドカーンとライヴが始まった。背後の3面スクリーンに、メンバーそれぞれの顔が大映しにされる。ドラム&コーラスの高橋久美子が少し上気した表情をしているが、ギター&ヴォーカルの橋本絵莉子もベース&コーラスの福岡晃子もへっちゃらな感じ。初めての武道館を楽しんでいるかのように見える。「ハナノユメ」の始まりこそ、多少おっかなビックリだったが、すぐに立て直す。声もよく出ているし、リズムセクションのビートもいい。

 チャットモンチ-のライヴを観ていていつも感じるのは、"普段、よく練習しているんだろうな"ということ。どんな状況に追い込まれても、決められたフレーズをきっちりと弾くには練習しかない。アドリブ性には乏しいが、楽曲とアレンジの太い骨格を確実に表現している。また、彼女達がこれまで対バンしてきたのは、エッジの尖ったバンドばかりで、そうした修羅場の経験が、この武道館のライヴでは活きている。歌い終わって橋本がニッコリ笑ったのには驚かされた。最初のアドバンテージはチャットモンチ-が取ったことを確認した瞬間だった。

 2曲目「ツマサキ」でメンバーを映し出していたスクリーンが消えた。演出の力を借りずに、3人で演るしかない。ヴォーカルにも演奏にも緊張が走る。この曲ではチャットモンチ-の大きな魅力の一つである“コーラスワーク”が威力を発揮。橋本と高橋のゴールデン・ハーモニーが武道館に響き渡る。「DEMO、恋はサーカス」は橋本の声の軽快さと高橋のドラミングの重さが好対照を描く。「惚たる蛍」ではステージ全面に星球が灯って、幻想的な雰囲気が醸し出された。
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 ここまで一気に飛ばす3人。後のMCで福岡が語っていたが、これら頭に演った4曲は1stミニ・アルバムに収められている初期のナンバー。地元のライヴハウスでずっと演奏していたのだが、お客さんが2、3人のこともあったという。だからこの序盤は、大切な曲達を武道館で披露出来た歓びに溢れていたのだった。

 さて、ここからが正念場。聴かせる曲が6曲並ぶ。バックライトを多用した照明以外、何の演出もない。正直、ギリギリの演奏内容だった。だがチャットモンチ-は持ち前の真摯さで、武道館のオーディエンスを楽しませていた。

 難関を乗り切った高橋が、快活に話し出す。「みんな、楽しんでるー? 私んちはおとうさん、おかあさん、親戚が来てて、昨日は私の部屋でパーティ。ライヴ前日で私は飲めないのに、ビールをいっぱい持ってきてくれて(笑) 。友達も遠くから来てくれて嬉しいです」。客席からメンバーの名前を呼ぶ声が聞こえると、橋本が「あー、サヤカの声だあ」と声を上げる。チャットモンチ-ならではのアットホームなやり取りに会場は大笑い。福岡の仕切りで、会場を二分しての恒例のコーラス対決が始まる。ポップな「手のなるほうへ」が、さらにポップに変身する。すっかりペースをつかんだチャットモンチ-の快進撃。高橋はドラムを叩きながら会場をグルっと見回して満足そう。福岡は思い切りリズムを楽しんでベースを弾く。橋本も「とび魚のバタフライ」で切れの良いスカ・ビートをギターで刻む。テンポの速い曲で橋本の声はイキイキし、福岡&高橋のコーラスも最大限の力を発揮。バンド本来の良さがここで爆発した。

 ベスト・パフォーマンスは「バスロマンス」だった。橋本がトレースする美しいメロディと、サウンドのハードなロック・スピリットのマッチングは、チャットモンチ-の唯一無二の個性。ステージを左右に走り回ることなしに、音の力で会場を盛り上げていたのは立派だった。
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 曲が終わって、橋本がギターを持ち替える。その時、シルエットで見えたのだが、ギターを持ってきたスタッフと彼女のあまりの身長差に改めて"ちっちぇー" と驚愕。その小さな身体のどこから、この武道館を揺らすパワーが出てくるのかを思うと、また感動してしまった。「次の曲は、上京してすぐに出来たので思い入れがあります」と福岡が言い、「世界が終わる夜に」が始まった。太くくすんだギター、ゴツゴツしたベースとドラム。粗いが勢いのあるサウンド。これがチャットモンチ-・スタイル。ずっと前に観た初クアトロでのライヴを想い出して、熱くなった。

 「残り3曲。ちゃんと汗をかいて、『SEA BLEEZE』を使うように!」とちゃっかりタイアップのCMをしながら「真夜中遊園地」。メッセージを込めた「親知らず」。そして最後は、音楽性豊かな「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」。リズムも展開も複雑な曲を最後に持ってくる度胸に感心。チャットモンチ-は初武道館を見事にやってのけたのだった。

 アンコールはステージ上方から花吹雪が舞う中、「サラバ青春」をプレイ。3人が自分達の目にそれを焼きつけるように演奏していたのが、深く印象に残った。彼女達の一度しかない初武道館を目撃出来て、本当に良かった。あれ? そういえば「東京ハチミツオーケストラ」、演ってないな。一番好きな曲なのに……。あれ? あれ? と思っているうちに、3人は満面の笑顔でステージを去っていった。ま、いっか。初武道館の大成功、おめでとう!

●取材・文/平山雄一、撮影:古渓一道

⇒チャットモンチー オフィシャルサイト
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by ex_musicmall | 2010-11-23 20:15 | ライヴレポート
LITE〈2008/03/05掲載〉
2008/02/21@新宿MARZ
【LITE"A Tiny Twofer」release tour 2008" brother's sister's daughter "japan tiny tour 2008"】


壮大なサウンドトラックを聴いているような表現力の高さ

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 2003年の結成以来、ヨーロッパでの海外盤デビュー、「FUJI ROCK FESTIVAL 2007」への出演、UKツアーなど、グローバルな活動も目覚ましい、新世代インストゥルメンタル・ポストロック・バンド、LITE。この日はイギー・ポップ率いるIGGY&THE STOOGESのベーシスト、マイク・ワットの新バンド「brother's sister's daughter」とのツアー最終日で新宿MARZのステージに立った。

 ところで、今回のこのツアーがすごい!2月8日@六本木SUPER DELUXEの初日からこの日まで、なんと怒涛の2週間連続14本!! とはいえ、その疲れをまるで感じさせず、むしろ彼らのタフさを見せつけたライヴを展開。洗練された、美しいサウンドの「I miss seeing all」でステージはスタートした。

 深みのあるメロディーの抑揚に合わせてメンバーの身体が激しく揺れていき、それに呼応するかのように、観客も全身でリズムを感じる。変拍子のリズム「human gift」では、随所に入るキメのフレーズがさらなる興奮を煽り、続く「Re」では、繊細に音を重ねて、曲を彩っていった。

 中盤「ripple spread」で聴かれた静寂のメロディー、そして次のアルバムに入るという新曲は、ゆったりとしたロマンティックな響きから一転、変則的なアンサンブルと強烈なグルーヴでLITEならではの世界観を作りだしていた。
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 ラスト「contemporary disease」がまた圧巻だった。変拍子の応酬となったプログレッシヴ・ロック色の強いこの曲は、研ぎ澄まされたサウンドで、カオス的な空間を作り出し、また、彼らの卓越した演奏力と生み出す緊張感に、演奏が終わった瞬間、見ているコチラ側も、何かをやり遂げたかのような充足感に満たされたのだ。

 近年盛り上がりを見せているインスト界。その中においても、最も注目に値するバンドだという噂に違わない実力とオリジナリティーを見せつけられたライヴだった。壮大なサウンドトラックを聴いているような、そんな表現力の高さで、さらに進化し続けるLITEに今後も注目していきたい。

●取材・文/田上知枝、撮影:東京神父

⇒LITE オフィシャルサイト
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by ex_musicmall | 2010-11-23 19:10 | ライヴレポート
おとぎ話〈2008/02/20掲載〉
2008/02/08@渋谷O-nest
おとぎ話【Casper&the Cookies Japan Tour】


おとぎ話の歌には嘘がない

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 この日はアメリカ・ジョージア州のバンド「Casper&the Cookies」の来日に、日本のグッド・ポップスなパーティ・バンド「ELEKIBASS」が同行する日本ツアーの初日。おとぎ話もこの2バンドのステージに華を添えるべく出演、3番手に登場した。「おとぎ話です! Casper, I Love You!!」と、本日の主役への愛の込もったメッセージを、有馬和樹(Vo.&G.)が屈託のない笑顔で言葉にする。1曲目に演奏されたのは、牛尾健太(G.)の渋いギターフレーズが光るロックンロールナンバー「BLANK POP!!!!(空白の時代を塗り潰せ!)」。<「続ける」ってなんて素敵 「続ける」ってなんて大変>と歌われるこの曲は、彼ら自身、そして彼らと同様にバンドを続けている同志達へのメッセージソングとも取れる。某ミュージシャンが「バンドっていうのは辞める理由ばかりで、続ける理由を見つける方が大変なんだ」と言っていたことを思い出したが、有馬の笑顔が、“だって、音楽は国境を越えちゃうんだぜ!”とでも語っているような、そんな気がした。

 途中にはビートルズの「Get Back」のフレーズを織り交ぜ、牛尾がロックスターよろしく踵(かかと)で床を打ち鳴らすパフォーマンスを見せる。文化や言葉、肌の色は違っても、一緒に歌えるフレーズが音楽にはある。来日したCasper&the Cookiesへの彼らなりの歓迎の気持ちを形にした場面だった。

 「”音楽には壁がないんだゾ!!”という気持ちで歌います」というMCと共に披露された「SMILE」は70年代の空気を持った懐かしい気持ちになるナンバー。続く「KIDS」では、有馬の伸びやかな歌声とゆったりしたメロディが会場に温かい空気をもたらせていた。
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 そんな空気を突き破ったのは、ラスト「クラッシュ」。「セックス・ピストルズじゃなくて、おとぎ話が贈る今日の夜は「クラッシュ」でおさらばです。ドロンドロン」「ロックンロール!ロックンロール!」とシャウトすると、ドラムの速いカウントで演奏へ。青春のちょっぴりホロ苦くも甘い想い出や思いのたけを歌にブツけたような、そんな激しさを持ったナンバーだ。牛尾が派手に開脚ジャンプをキメれば、4人が顔を突き合わせて激しく音に向かい合う。そして4人は、「おとぎ話でした!またね!」と、茶目っ気タップリにステージを後にした。

 おとぎ話の歌には嘘がない。大きく口を開けて笑顔で歌う有馬の真っ直ぐな視線は、まるで子供のように素直で、この上ない魅力を放っていた。

●取材・文/田上知枝、撮影:東京神父

⇒おとぎ話 オフィシャルサイト
⇒おとぎ話 シングル『青春GALAXY ep.』インタビュー
⇒おとぎ話 2ndアルバム『理由なき反抗』インタビュー
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by ex_musicmall | 2010-11-23 18:13 | ライヴレポート
小谷美紗子 vs 凛として時雨〈2008/02/20掲載〉
2008/01/30@新宿LOFT
【小谷美紗子 vs 凛として時雨】


小谷ファンの凛として時雨が贈ったラブコールで実現した2マンライヴ

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 昨年の夏以来、数々のイベント・ライブに出演してはオーディエンスの数を増やし続け、今や破竹の勢いの「凛として時雨」と、心に深く突き刺さる声と言葉とメロディを持つシンガーソングライター「小谷美紗子」という異色の組み合わせに、1月30日の新宿LOFTは平日だと言うのに超満員。以前から小谷ファンの凛として時雨が贈ったラブコールが実現のキッカケだったらしい。じつにLOFTらしいインスピレーションに富んだキャスティングだ。ガチガチのロックキッズから、ネクタイ姿の会社帰りのロック・サラリーマンまで、客層は色とりどり。期待に胸を膨らませてライヴの開始を待っている。

 最初に登場したのは、凛として時雨だった。345の歪んだベース・リフにピエール中野の重いドラムが乗り、そこにTKのディレイかかりまくりのギターが絡むところからライブは始まった。大好きな小谷との共演だからだろうか、TKも345も少し緊張気味なのか、声が上ずっている。が、ギター・ソロになると超刺激的なフレーズが溢れ出て、徐々にリラックスしていくのうかがえる。  

 3曲目「Sadistic Summer」あたりから、完全に本来の調子を発揮。タイトなドラム&ベースのコンビネーションに、繊細なギターのアルペジオが力強く寄り添っていく。ミディアム・テンポのジャムから、不敵なファンクへ。とにかく凛として時雨のアレンジは変幻自在。それは独特のスピード感を醸し出し、一方でヘビーなメッセージを飽きさせずにオーディエンスに届ける効果がある。メタルなテイストも含まれているのが、いかにも最近の人気バンドの世界的傾向で納得がいく。

 中でも「Acoustic」が良かった。ゆったりしたミディアム・バラードから激しいロックにジャンプするのだが、曲の底に流れる感情が一貫していて、音楽家としての力量の大きさを強く感じさせてくれた。途中で「あれ、俺のマイクがないな」と、ピエールが345のマイクを借りて話し出す。「兄貴は俺の10歳上で、the band apartのライヴで会ったりするんだけど、時雨のライヴには来ない。その兄貴がこの前、俺らの「DISCO FLIGHT」に感動してカラオケで歌おうとして、無理だったんだって(笑)。このライヴの後、時雨はレコーディングに入ります」。

 笑わせた後は、ピエール大活躍の「nakano kill you」だ。「先月、僕の誕生日に小谷さんのライヴを観に行きました。素敵でした」とTK。「次はしっとりした曲を演りますので、その後の小谷さんのライヴを楽しんでいってください」と言って、ラストは「傍観」。シビアな歌詞を心をザックリとえぐるように伝える持ち味が爆発して、この日のベスト・パフォーマンスになった。レコーディングのため、当分ライヴがないこともあってか、観客からは大きな拍手が上がっていた。
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 インターバルをはさんで、小谷が登場。バックにドラムの玉田豊夢とベースの山口寛雄を従えている。共に100sやスネオヘアー等で活躍するメンバーだ。ピアノの小谷とドラムが向かい合ってセットされ、中間にベースがいる。お互いの顔を見ながらのステージだ。そして小谷が鍵盤を叩き、リズム・セクションが絡むと、素晴らしいセッションが始まった。

 オープニングの「YOU」で、小谷は八分音譜をピアノで刻みながら歌うのだが、その呼吸のコントロールの上手いこと上手いこと。聴く者の集中力は、歌う者の息の長さに支配される。小谷のフレージングの長さに、満員のオーディエンスが一発で引き込まれた光景は見事だった。続く「still have us」では完璧な英語を披露して大拍手。最初のハイライトは3曲目「消えろ」だった。凛として時雨と同じく、変幻自在なアレンジで翻弄しながら、的確に歌詞を届ける。凛として時雨が彼女をリスペクトする理由の一端を見た気がした。 「3年くらい前に初めてロフトでイースタン・ユースと一緒にライブをすることになって楽しみにしてたのに、その2日前に高熱が出てしまった。なので、今日はリベンジ。倍にして歌います」と小谷。
 「自分」が圧巻だった。淡々とした歌いぶりなのに、歌詞は徹底的に人間の欺瞞を暴く痛烈なもの。それをドラム玉田豊夢、ベース山口寛雄の二人の演奏が、歌をど真ん中から後押しして凄いのだ。グサグサ刺さりっぱなしの一曲になった。
 「いつもいいメンバーに恵まれて楽しくライヴができて幸せです」とメンバー紹介をしてラストに歌った「Rum&Ginger」は、LOFTと凛として時雨に「ありがとう」と言っているように聴こえて、本当に感動的だった。
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 ●取材・文/平山雄一、撮影:松本誠司

⇒小谷美紗子 ミニ・アルバム『ことの は』インタビュー
⇒小谷美紗子 オフィシャルサイト
⇒凛として時雨 オフィシャルサイト
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by ex_musicmall | 2010-11-23 18:01 | ライヴレポート
サルーキ=〈2008/01/23掲載〉
2007/12/30@吉祥寺プラネットK
サルーキ=【LIVESTAR's CAMP vol.6】


彼らには、「ロックスター」という言葉が本当によく似合う

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 「目指せ、本気で日本武道館!」をスローガンに活動するロックンフォークバンド、サルーキ=。彼らの志の高さは、一本一本のライヴを見れば明らかだ。そんな中、長きに渡って活動を共にしてきた前任ドラマーが脱退し、ライヴ活動をストップしていた彼ら。同じ目標に向かって邁進できるメンバーを探すことはそう容易いことではない。だが、動きを止めるわけにはいかないと、サポートにセンチグラムの丹マサヒロ(Ds.)を迎えて、この日、44日ぶりにホームのプラネットKのステージに立った。

 多くのファンが見守る中、ハードな革のジャケットを着用した森(G.)と川嶋(B.)がスタンバイし、「宇宙のリズム」の演奏をスタート。ステージ袖から勢いよく飛び出してきたchiyo(Vo.&G.)も豹柄のジャケットを着ており、見た目からしてロック度全開だ。自らを「ロックンフォークバンド」と名乗るサルーキ=だが、その裏に見え隠れする反骨精神も彼らの魅力。やっぱり自分はステージの上でこそ生きているんだとばかりに意気揚々とステージを激しく動き回るchiyo。彼には、「ロックスター」という言葉が本当によく似合う。最高のロックンロールギタリスト、森の横に並んで顔を寄せ、一つのマイクで一緒に歌う――そんなロックならではのパフォーマンスが、憎いほどに似合うのだ。
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 「宇宙のリズム」「純情ボーイ」と飛ばした後は、ライヴ活動を休止していた間に迎えたクリスマスを遅ればせながら祝おうと、「きよしこの夜」のカバーでクールダウン。そして「ロックへの憧れ、フォーキーなオレ」では、アフロ頭の謎のメンバーを迎えた、伝説の(?)サザンロックスターズが復活したり、chiyoが客席の頭上をフライングしたりと、見ごたえは抜群! プラKの看板バンドの名に恥じない、さすがの貫録のステージを見せてくれた。

 イベントに出演した他のバンドが「この一年の集大成を」という想いでライヴに臨んでいたとするなら、メンバー脱退後、初のライヴとなったサルーキ=は、「この日から新しいサルーキ=がスタートする」という気持ちが強かっただろう。終演後にchiyoが、「2月3月のライヴは、丹くん以外のドラマーにもサポートを頼んでいるし、キーボードを入れてやっても面白いかなと思ってる」と話してくれた。サルーキ=にとって今回のドラマー脱退劇は大きな痛手だったはずだ。だが、これを逆手にとって「この機会だから、いろいろと試してみよう」と発想を転換し、チャンスに変えてしまう。そんなしたたかな面も彼らの強みだ。彼らが日本武道館のステージに立つその日まで、応援し続けたい。
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●取材・撮影/田上知枝

⇒サルーキ= オフィシャルサイト
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by ex_musicmall | 2010-11-23 17:26 | ライヴレポート
センチグラム〈2008/01/16掲載〉
2007/12/24@渋谷DESEO
センチグラム
【SHIBUYA DESEO 9th Anniversary LIVESTAR's CAMP vol.5】


バンドとしてのポテンシャルの高さを再認識させられたクリスマスライヴ

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 12月24日、クリスマスイヴ。友達とワイワイ楽しんだり、ロマンチックに恋人と、または家族と静かに過ごしたり……。1年で世界中の人がとても大切に思っている日でもある、この晩を自主企画の日に選んだセンチグラム。おそらく、いつも以上にプレッシャーもあっただろうし、そんな大切な日に集まってくれたたくさんのお客さん達に本当に感謝していたのだろう。”楽しませたい!!”――彼らのこの日のライヴからは、そんな気持ちがすごく強く伝わってきた。

 そんなセンチグラムは、このイベントのトリとして登場。ヴォーカル松野の髪を切った爽やかな姿も印象的な中、1曲目「ココロノハ」でライヴはスタート。「言葉じゃこの気持ちを伝え切れない…」というフレーズから始まるこの曲は、来てくれたお客さん達に対する感謝のメッセージソングだったのではないだろうか。そして「プレリュード」「優しさ日和」と続き、印象に残ったのは4曲目にプレイされた「涙流星群」。アップテンポな、自然と体が揺れだすノリノリのナンバーだ。丹(Ds.)は、安定した力強いリズムを刻み、橋川(B.)がリズミカルにベースを弾き、そこに松野の感情に溢れた歌が乗る。
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 そんな中、注目だったのが、新しくサポートとして加入したギターの丹羽の存在。彼は弾く姿にとても“華のある”ギタリストだ。上手い下手より、ミュージシャンとして“華”は何よりも重要なポイントだと思う。丹羽の弾くフレーズがセンチグラムの楽曲に彩りを添えているのはもちろん、存在そのものがバンドに新しい風をもたらせている。4人のアンサンブルには、まだまだ荒々しさが残るが、新しいセンチグラムにもっとも似合う、とてもバンドらしい曲だった。

 当日は「もしもし」や「名無しの唄」など、松野の声を前面に出したバラードはナシ。それはもしかしたらファンの望む形ではなかったのかもしれないが、そこに不満を感じるお客さんはいなかったのではないだろうか。それくらい全体的に勢いがあり、カッコいいライヴだったのだ。「まだまだ行けた」と、終演後、丹が言っていた言葉に、僕はこの日のライヴでセンチグラムのバンドとしてのポテンシャルの高さを再認識させられた。

 “この日、渋谷DESEOに集まった人達は、お客さん、出演者、スタッフ共々みんな笑顔で楽しいイヴを過ごせたことだろう……”、そう感じた、彼らの今後がさらに楽しみになったライヴだった。

●取材・文/永栄久徳

⇒センチグラム オフィシャルサイト
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by ex_musicmall | 2010-11-23 17:11 | ライヴレポート


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